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STORY vol.1
木化によって、全てが変わった。

公益財団法人・関西盲導犬協会
「木香テラス」所長 小芦英知様

「木香テラス」所長 小芦英知様

「じつは、犬舎の建て替えを考えたとき、頭の中に浮かんでいたのは鉄骨の建物でした」そう語るのは関西盲導犬協会「木香テラス」所長、小芦様。その理由は、従来の盲導犬の犬舎は、国内も海外も鉄骨造や鉄筋コンクリート造が当たり前だからです。「ある日、住友林業から木造で大スペースの犬舎がつくれるという提案があったんです。きっと犬舎のあり方が根本から変わる、そんな予感がしました」

犬を管理する施設から、人と暮らす木の家へ。

盲導犬は、パピーウォーカーと呼ばれるボランティアさんの家で育てられ、1歳を迎えると施設で訓練を受け、その後は視覚障がい者の方の家で暮らします。「今までは訓練する環境だけが家ではなく施設だったんです。この木香テラスは、盲導犬になった時に暮らす家と同様の生活環境になりました。犬、職員、ボランティアの方々、協力いただいている方々が、いい意味でリラックスした状態で接し合う。効率的に管理することが狙いの従来型施設とはまったく異なります」

この施設のためだけに考えられたアイデア。

大屋根を支える柱は檜集成材、腰パネルには国産杉。さらに、床の一部に杉の角材を敷いています。「犬舎に入ったときに木の香りがする、と言われます。木の効果なのかはわかりませんが、犬のニオイは、ほとんど感じないんです。床に敷いてある角材は、掃除機や拭き掃除で十分きれいになります。しかも、角材の面をゴロリと変えればきれいな面があらわれます。このアイデアを聞いたときは、なるほど!と思いました」この木香テラスを見学された他の盲導犬育成団体の方々は刺激を受けてお帰りになられるそうです。「木香テラスは見た目はやさしいですが、実現したことは先進的です。盲導犬を育成する環境として、今後のモデルケースになると考えています」