ニュースリリース(2012年)

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2012年12月7日

陸前高田市「希望の松」後継樹育成の経過報告について

  住友林業株式会社(社長:市川晃 本社:東京都千代田区)と住友林業緑化株式会社(社長: 徳永完平 本社:東京都中野区、住友林業100%出資)は、2011 年4 月より、東日本大震災の 津波に耐え岩手県陸前高田市の高田松原に一本だけ残った“希望の松“の後継樹育成に携わっ ています。この度、新たに松ぼっくりを約1,000 個採取し、種子75 個を採取できましたのでお知らせ します。


  <新たに採取した松ぼっくり>

  復興のシンボルとされる陸前高田市の「希望の松」は、2012年9月12日にモニュメントとして保存することを目的に伐採されましたが、その際に当社では関係機関から許可を得て、樹冠に残っていた松ぼっくり約1,000個を採取、全ての松ぼっくりの鱗片を丁寧に剥いていったところ、飛散せずに残っている種子75個を採取することに成功しました。ただし、未成熟な種子が本来の種子飛散時期である秋に飛散されずに残っていたものであり、最も古いものでは震災前の2010年の秋から残っていることが考えられます。
  種子が十分には発育していないか、冬眠状態から覚めていないことが予想されるため、3月頃まで専用の冷蔵庫内で低温処理を行い、その後人工気象室内にて発芽に至るかを検証する計画で、10粒程度から発芽してくれればと期待しています。

【苗木の種類と生育状況】
  2011年12月14日の報道発表の通り、2011年4月より 希望の松の保護を目的としたプロジェクトの後継樹育成チームに参加した住友林業と住友林業緑化では、種子から18本の実生苗および接ぎ木による3本のクローン苗を育成することに成功しました。
  種子から育成に成功した苗は、それぞれ成長に違いが見られ、そのうち苗3本は順調に生育しています。未成熟な種子が本来の種子飛散時期である秋に飛散せずに残っていたものを、松ぼっくりの中から4月に採取し人工的に成熟させた状態から育成しているため、発芽の後、全ての苗木が順調に成木にまで至ることは大変厳しい見通しです。
  なお、接ぎ木苗は3本とも順調に生育し、50cm程度まで生長しています。

【今後の見通し】
  当社は、陸前高田市や関係者*の皆様に適宜ご相談、ご報告を行いながら、お預かりしている苗の育成に引き続き慎重に取り組んでまいります。
尚、苗木によって個体差があるため育成状況を見守りながらではありますが、当社では約10年後を目処に陸前高田市民の皆様にお戻しすることを目標にしております。

*陸前高田市のほか、土地の所有者である財団法人日本ユースホステル協会、昨年4月より様々な形で希望の松後継樹の育成を目的に活動している公益社団法人日本造園学会、財団法人日本緑化センター、一般社団法人日本造園建設業協会の3組織の皆様。

  また筑波研究所では、いまだ世界的にみても成功例のない針葉樹の組織培養による増殖にも取り組んでいます。組織培養技術が開発できれば、現在育成している実生苗および接ぎ木苗をもとに、「希望の松」の後継樹を増殖することが可能となり、かつての高田松原の復活にも寄与できるのではないかと考えております。

<解説>

* 接ぎ木: 植物の枝を切り取り、同種または近縁の植物の幹に接ぐ繁殖方法。接がれる側の苗を「台木」、接ぐ側の枝を「接ぎ穂」という。
* 植物組織培養: ガラス容器などの密閉した無菌空間に、植物の成長に必要な養分などが入った培地を入れ、植物器官を培地に植え、その中で植物を栽培する技術。茎頂(けいちょう)培養、胚培養などの手法がある。

<住友林業株式会社 筑波研究所 概要>

木の総合的な活用を目指し、広く研究開発を進めていくことを目的に1991年に茨城県つくば市の「筑波研究学園都市」に設立。「木質資源分野」・「建築住まい分野」の観点より、素材としての木の可能性を探求し、魅力ある住宅用木質材料の研究、資源の有効活用、快適な住環境の研究開発など循環型社会に向けさまざまな研究テーマに取り組んでいます。また、各種部材や住宅部材の品質について検査・検証を行う「テクノセンター」、研究成果や技術情報の収集、タイムリーな情報提供を行う「木と住まい先端情報室」を併設し、先端技術の実用化に向けた取り組みを支えています。

<2011年12月14日配信のニュースリリース>
http://sfc.jp/information/news/2011/2011-12-14.html

以上

≪お問い合わせ先≫
住友林業株式会社
コーポレート・コミュニケーション室 池田・飯塚
TEL 03-3214-2270

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