資源循環への取り組み

廃棄物削減とリサイクル

基本的な考え方

住友林業グループは、持続可能な循環型社会の構築のために、「住友林業グループ環境方針」に基づき、各事業のプロセスにおいて産業廃棄物の発生抑制・再利用・リサイクルによるゼロエミッションを推進しています。 重点課題には「森」と「木」を活かしたサーキュラーバイオエコノミーの実現を掲げ、リサイクルやゼロエミッションの促進による資源保護などの環境負荷低減への取り組みを推進しています。 住友林業グループでは、この重点課題の達成を目指し、各事業本部においても施策を定めています。その達成状況は年度ごとに確認し、中期経営計画の最終年度である2024年度にはグループ全体の最終処分量を2021年比で5.4%削減、19,905tを目指しています。

ゼロエミッション達成のための取り組み

住友林業グループでは、各事業所から発生する全ての産業廃棄物について、単純焼却・埋立処分を行わない、「リサイクル率
98%以上」をゼロエミッション達成と定義しています。この定義に従い、国内製造工場では2009年度、新築現場でも2012年度に首都圏エリアにおけるゼロエミッションを達成しました。2020年度には海外製造工場においてもゼロエミッションを達成しました。

またゼロエミッションについては事業活動状況や発生する廃棄物状況などを考慮し、「新築現場」「国内製造工場」「発電事業」「リフォーム事業」「生活サービス事業など」「海外製造工場」「解体工事現場」の7区分に分け、従来より細かい管理を通じて達成を目指しています。昨年に引き続き、2022年度も「国内製造工場」「海外製造工場」「発電事業」にてゼロエミッションを達成しました。

廃棄物発生量及びリサイクル率推移※1 ※2

過去5年廃棄物発生量及びリサイクル率推移

※1 2022年度よりコーナン建設の数値を含む

※2 2020年度以降の排出量の集計期間は各年1月~12月、2019年度の排出量の集計期間は4月から翌年3月

廃棄物管理者の知識習得のための取り組み

住友林業グループでは各建築現場から発生する産業廃棄物は勿論、オフィスから発生する廃棄物に関しても各担当者が適切に対応出来るように知識の習得の取り組みを実施しています。
住宅事業本部では「建設系廃棄物管理のポイント」と題したeラーニングを新たに開講し、支店の生産部門の責任者は必ず受講することとしています。その他にもアスベストに関する規制の強化を受けて「石綿の事前調査について」や、オフィスから発生する廃棄物管理について「廃棄物管理の基礎」のeラーニングを設けて、知識習得の推進に取り組んでいます。また、住友林業では、毎月「安全・環境・検査室情報」を支店に配信して最新の情報を周知し、さらに施工協力店・解体業者などに指導・教育の実施を行っています。

プラスチックへの対応基準を策定

プラスチックは短期間で社会に浸透し、われわれの生活に利便性と恩恵をもたらした一方、他素材に比べてリユース・マテリアルリサイクルされる割合は世界全体でもいまだ低く、海洋に流出したプラスチックによる汚染問題などが、世界的な課題となっています。住友林業グループは2019年8月に「プラスチックに関する対応」を定め、関連部署への啓発・周知を行いました。ノベルティ類、文房具類は、包装も含めて、プラスチック製品はできる限り代替を検討。社内の自動販売機・飲料保管等において、防災など特別な理由がない限り、ペットボトルを缶に切り替え、会議時におけるペットボトル飲料の配布を行わないなどの取り組みを実施しました。また、プラスチックへの対応内容を「住友林業グループグリーン購入ガイドライン」に反映し、改訂を行いました。

プラスチック資源循環促進法への対応

2022年4月1日に「プラスチック資源循環促進法」が施行されました。

この法律は、プラスチック製品の設計・製造、販売・提供、そして廃棄物の排出・回収・リサイクルまでに関わるあらゆる主体におけるプラスチック資源循環の取組み(3R+Renewable)を促進するための法律です。

前年度の排出量が250トン以上の「多量排出事業」については、目標の達成状況に関する情報も含めてインターネット等で公表する必要があります(対象は住友林業、住友林業ホームテック、住友林業クレスト)。

対象部門の目標取組み状況・施策状況

部門 項目 評価指標 21/12期
(実績)
22/12期
(実績)
23/12期
(見込)
住友林業
(住宅)
排出抑制 プラスチック産廃排出量(t) 算定 削減方法検討
再資源化 固形燃料化(RPF)等への再利用を引き続き推進する。
施策 排出抑制については、具体的な削減方法の検討を行い削減に取り組み、再資源化については固形燃料化(RPF)等への再利用を引き続き推進する。
住友林業
ホームテック
排出抑制 完工高原単位排出量(t/百万円) 0.020t/百万円 0.0297t/百万円 前年度より削減
再資源化 リサイクル率 85.3% 81.6% 前年度より削減
施策 発生抑制については、資材メーカーのプラ梱包材削減を協議、現場リユース養生材の使用等による削減に取り組む。排出抑制については、リサイクル率の低い中間処理業者との協議により持ち込み先の変更に取り組む。
住友林業
クレスト
排出抑制 プラスチック産廃排出量(t) 226.8t 235.9t 225.2t
再資源化 プラスチック産廃埋立て処分量(t) 5.6t 2.8t 1.6t
施策 排出抑制については、無垢床スペーサーの梱包数量減量化や発砲角当て養生材の紙製化、エアークッション材の代替化などに取り組む。