富士山「まなびの森」プロジェクト

台風により甚大な風倒被害を受けた富士山2合目に広がる国有林を元の豊かな自然に戻すため、住友林業設立50周年の記念事業として、1998年に開始した富士山「まなびの森」プロジェクトを継続しています。現在は、植栽したエリアの調査区で樹木の成長状況を「見える化」しながら、「まなびの森」自然林復元を見守っています。

2020年度はボランティアの参加や環境教育の実施などにより、社内外の延べ553名が「まなびの森」を訪れ、1998年~2020年度までの累計訪問者数は30,371名となりました。

森林(もり)づくりボランティア活動

1998年のプロジェクト開始以来、これまでに約3万本の地域固有の樹木の苗を植樹、延べ28,000人以上のボランティアが参加して、植樹と育林活動を進めてきました。

これまでの風倒被害林の森林づくり作業は、ヘキサチューブの撤去完了をもって一段落となり、2019年度からは森林づくり活動に必要なモニタリング調査である樹木調査を開始しました。樹木調査の2年目として、樹木医などの指導・協力の下、5日間で延べ152名のボランティアが参加し、約1,800m²に植樹された599本の樹木の記録がデータベース化されました。

これまでボランティアによって植樹された樹木の成長を「見える化」することにより、より森林に親しみながら学べる場所「まなびの森」へとシフトしていきます。

写真:社員参加ボランティア

社員参加ボランティア

写真:社員参加ボランティア
写真:住友林業建築技術専門校訓練生参加ボランティア

住友林業建築技術専門校訓練生参加ボランティア

写真:住友林業建築技術専門校訓練生参加ボランティア

森林再生ボランティアの推移

グラフ:森林再生ボランティアの推移

※ 2020年度の集計期間は2020年4月~12月

環境学習支援プロジェクト

2006年度からはNPO法人ホールアース研究所と連携し、地元小中学校の児童・生徒を対象とする「環境学習支援プロジェクト」を継続しています。活動内容は樹木や野生生物の足跡など生息痕跡の観察や五感を使ったゲームなどで、これらの自然を見つめ直す機会を通じて自然の大切さを知ってもらい、新しい自然との共存関係を考えてもらうことを目的としています。2020年度は12校959名の児童・生徒を招待しました。2020年度にはこれまで招待した児童・生徒数の累計が11,000名を超えました。

写真:環境学習支援プロジェクト

環境学習支援プロジェクト

環境教育プログラムの推移

グラフ:環境教育プログラムの推移

※ 2020年度の集計期間は2020年4月~12月

植生モニタリングと鳥獣・昆虫生息調査

自然林の回復状況をモニタリングするため、東京農工大学植生管理学研究室の協力の下、2000年から「植生調査」を行っています。併せて日本野鳥の会南富士支部の協力の下、「鳥獣生息調査」も同じ年に開始しました。

「植生調査」では、植樹したブナやケヤキなどとともに、台風被害後に自然に芽生えたミズキ、キハダなども順調に成長していることが確認できています。この20年で、樹木が大きくなったばかりでなく、森林の構成種全体が回復してきていることが分かりました。

また「鳥獣生息調査」では、倒木が撤去されて土の見える環境から次第に草原、森林へと姿を変えていく中で、草原性のキジやモズが減少し、森林性の鳥であるキビタキやヤマガラを観察する機会が増えました。鳥類の生態からも、森林が順調に回復していることが分かっています。

2019年度より、常葉大学名誉教授の協力の下、3年計画の「昆虫生息調査」を開始し2020年はその2年目となりました。「まなびの森」に生息する、行動半径が広い昆虫類の80%以上を特定してリスト化する手法で、モニタリング調査を行っていきます。

森を育てるには悠久の月日が必要で、「まなびの森」も100年の計画です。100年先の未来も継続していけるよう、森づくりや環境活動を通じて、一人でも多くの人に自然の大切さを知っていただく活動を続けていきます。

風倒跡地の植生変化

写真:風倒跡地の植生変化

(2001年)

写真:風倒跡地の植生変化

(2008年)

写真:風倒跡地の植生変化

(2016年)

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地域社会との協働

住友林業グループでは、事業を展開する周辺地域の生物多様性保全や地域社会に密着した活動を、地域の皆さまと共同で行っています。

群馬「まなびの森」での森林整備活動

住友林業と群馬県は、2012年7月に「県有林整備パートナー事業実施協定」を締結し、県と共同で赤城山山麓の森林整備を進めています。

群馬県は前橋市管内にある赤城の森を保有し、企業・団体と協力して、県有林の整備と保全を進めています。住友林業群馬支店は森林整備活動として、例年群馬「まなびの森」を実施しています。これは地元森林組合の協力の下、ヒノキの苗木の植樹や間伐などを行う活動で、2019年5月には社員及び協力工事店社員とその家族など73名が参加し、また、同年7月にはオーナーご家族から94名の参加をいただきました。

写真:群馬まなびの森

群馬まなびの森

「かながわプラごみゼロ宣言」に賛同

海洋プラスチックごみの問題は、海洋の生態系や人間の生活に大きな影響を与えるものとして、国際的に非常に重要な環境問題として認識されています。2019年2月神奈川県下の営業支店(住宅・建築事業本部 横浜支店・横浜北支店・神奈川西支店・湘南支店・東京南支店)が「かながわプラごみゼロ宣言」に賛同しました。その一環として、例年、横浜、湘南支店を主管とする工事店と合同で、ビーチクリーン活動を実施しています。プラスチックごみだけではなく、注射器や古タイヤなども落ちており、改めて環境に目を向ける良いきっかけとなっています。

※ SDGs未来都市である神奈川県は、「クジラからのメッセージ」として受け⽌め、2018年9⽉、持続可能な社会を⽬指すSDGsの具体的な取り組みとして「かながわプラごみゼロ宣⾔」を公表。プラスチック製ストローやレジ袋の利⽤廃⽌・回収などの取り組みを市町村や企業、県⺠とともに広げていくことで2030年までの可能な限り早期に「プラごみゼロ」を⽬指す

写真:辻堂海岸の清掃の様子(湘南支店)

辻堂海岸の清掃の様子(湘南支店)

写真:辻堂海岸の清掃の様子(湘南支店)

かながわプラごみゼロ宣言ロゴ

かながわプラごみゼロ宣言ロゴ

名木・貴重木を後世に受け継ぐ技術の開発

住友林業は、各地の名木・貴重木を後世に受け継ぐため、所有者からのご依頼により、従来の技術である接ぎ木や挿し木に加え、最新の技術であるバイオテクノロジーを活用し、名木・貴重木の花や葉といった性質をそのまま受け継いだ苗木を増殖し、名木・貴重木を後世に受け継ぐことに力を注いでいます。また、樹木のDNAデータベースを構築し、高度な個体識別も進めています。

組織培養増殖に成功した盆梅(ぼんばい)の培養物・苗を展示

「長浜盆梅展」で、組織培養増殖に成功した盆梅の培養物と苗展示しました。展示したのは、樹齢350~400年の貴重な盆梅3品種のうち「不老」と「芙蓉峰(ふようほう)」から増殖した培養物と苗で、70周年の長浜盆梅展を記念して展示しました。

培養物と苗は、温度管理された無菌室で育成されており、通常公開されることはありません。今回は、温度管理に細心の注意を払う仕組みを作り、特別に展示を実現しました。時代を超えて引き継がれる盆梅と最先端技術であるバイオテクノロジーをたくさんの方にご覧いただきました。

※ 盆栽の梅

■ 長浜盆梅展
滋賀県長浜市の慶雲館で1952年から始まった歴史・規模ともに日本一の盆梅展。約300鉢の中から開花時期に合わせて入れ替えし、常に見頃の盆梅を約90鉢展示しています。2021年1月9日から3月10日の日程で開催しました。

盆梅の苗

盆梅の苗

盆梅の培養物

盆梅の培養物

植樹活動「奥松島自然再生ボランティア」

住友林業は東日本大震災発生後の2012年7月に宮城県東松島市と「復興まちづくりにおける連携と協力に関する協定」を締結し、復興に向けて尽力しています。東松島市は津波で被害を受けた野蒜(のびる)海岸付近の洲崎地区で、湿地再生による観光復興を目指しています。当社はその活動の一環として2017年度から試験的に植樹活動を開始しました。土壌調査で酸性度が強いことが判明したため、植林に適した樹種の選定や植樹方法等を検討。加えて、森林総合研究所東北支所ら第三者の意見も参考に植樹計画を策定しました。

地域の皆さまにも協力いただきながら苗木が順調に生育していることが確認できたため、2019年度より東松島市の野蒜海岸沿いの「奥松島絆ソーラーパーク」近くで植樹活動「奥松島自然再生ボランティア」を始めました。

2020年10月28日に、地域の皆さま、東松島市立宮野森小学校児童、住友林業グループ社員計192名(スタッフ含む)が参加しました。マルバシャリンバイ、抵抗性アカマツ、抵抗性クロマツ、ヤマザクラ、トベラの5種類の地域性植物640本を植樹するとともに、昨年までに植樹したエリアの苗木が大きく育つように下草刈りもおこないました。地域と共に、中長期的な活動とする計画です。

写真:東松島市立宮野森小学校児童と住友林業グループ社員のボランティア

東松島市立宮野森小学校児童と住友林業グループ社員のボランティア

写真:植樹の様子

植樹の様子

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次世代育成教育

~次世代を担う子どもたちに森林の循環活用の重要性を伝える~
「SDGs169ターゲットアイコン日本版制作プロジェクト」に協賛

英語で書かれたSDGsの169のターゲットに、オリジナルの日本語版を制作する参加型のプロジェクト「SDGs169ターゲットアイコン日本版制作プロジェクト」へ協賛を行いました。

SDGsの17ゴールについては、日本語訳があるものの、169ターゲットは外務省による仮訳のみが公開されている状態です。そこで、オリジナルの日本語コピーを、次世代を担う子どもたち自らが制作することで、社会全体がSDGs達成に向けてより自分事として考え、日々の行動につなげることを目的に本プロジェクトは始まりました。協賛の一環として、SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」と関連する森林管理や木材利用の循環について中学生へ出張授業を行い、子どもたちの自由な発想を活かしながら、一緒に日本語コピーを考えました。出張授業で伝えた内容や当日の様子は「朝日中高生新聞」や「朝日新聞DIALOG」へ掲載し、今回の活動をより広く伝えました。

また、日本語コピーの完成版は、子どもや若者たちから募集したアイデアをもとにして、2021年3月末に公開されました。

プロジェクトロゴマーク

プロジェクトロゴマーク

出張授業

出張授業

朝日中高生新聞

朝日中高生新聞

文部科学省指定校 愛媛県立松山東高等学校への企業研究セミナー実施

2014年から文部科学省が実施する高等学校等のリーダー育成に資する教育課程等の改善、研究開発事業(質の高いカリキュラムの開発・実践、体制整備により、将来のリーダーとなる人材を育成)の一環として、愛媛県立松山東高等学校の生徒が住友林業グループ発祥の地である愛媛県新居浜市を訪問し、毎年セミナーを受講しています。

2014年度~2018年度 スーパーグローバルハイスクール事業
2019年度~ 地域との協働による高等学校教育改革推進事業

セミナーでは、新居浜事業所での住友林業グループの事業紹介及び海外駐在経験者の体験談などの座学と旧別子のフォレスターハウスでのフィールドワークの2部構成で行い、住友林業の330余年に及ぶ歴史と受け継がれる企業精神が、現在の海外での事業展開に寄与していることを学んでもらっています。

また、2014年度と2015年度はジャカルタ事務所に生徒が訪問し、インドネシアでの当社の事業展開を見聞しています。2020年度もセミナーを実施予定でしたが、新型コロナウイルス感染予防のため、残念ながら中止となりました。

一連の活動を通して住友林業は、文部科学省「高等学校等のリーダー育成に資する教育課程等の改善、研究開発事業」に賛同・協力しています。

写真:フォレスターハウスの様子

フォレスターハウスの様子

写真:フォレスターハウスの様子

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その他

医療現場支援のため防じんマスク8,000枚を厚生労働省に寄付

住友林業は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い医療現場においてウイルスを含んだ飛まつによる感染を防ぐことのできる医療用マスクが不足していることを受けて、緊急用に備蓄していた医療用と同等の性能がある、防じんマスク8,000枚を、一般社団法人 日本経済団体連合会の呼びかけに応じて、厚生労働省に寄付しました。

今後も感染拡大の終息と社会経済活動の回復に向け、当社グループの総力をあげて貢献していきます。

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企業・IR・CSR情報