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国内における社会貢献活動事例
富士山「まなびの森」プロジェクト
富士山「まなびの森」プロジェクトは、台風により甚大な風倒被害を受けた富士山2合目に広がる国有林をもとの豊かな自然に戻すため、住友林業が設立50周年を迎えた1998年に開始したプロジェクトです。現在は、植栽したエリアの調査区で樹木の成長状況を「見える化」しながら、「まなびの森」自然林復元を見守っています。
2023年度はボランティア活動や環境教育の実施などにより、社内外の約1,300名が「まなびの森」を訪れました。これまでの累計訪問者は、約35,000名になりました。
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森林(もり)づくりボランティア活動
1998年のプロジェクト開始以来、これまでに約3万本の地域固有の樹木の苗を植樹しました。延べ12,000名以上のボランティアが参加して、植樹と育林活動を進めてきました。
これまでの風倒被害林の森林づくり作業は、ヘキサチューブの撤去完了をもって一段落しました。2019年度からは森林づくり活動に必要な樹木調査を開始しました。2023年は樹木調査の5年目のボランティア活動として、約70名が参加し、約1,800m2に植樹された439本の樹木の記録をデータベース化しました。
2023年は富士山「まなびの森」プロジェクト25周年記念として、新たに国有林の一部を借り受け、ボランティアによる植樹を実施。ブナ、ケヤキ、ミズナラ、オオモミジ、ヒメシャラなど45本の苗木を植樹しました。富士山麓にはシカが多く生息しており、苗木を食害から守るため、参加者によるシカ柵設置も行いました。
これまでボランティアによって植樹された樹木の成長を「見える化」することにより、より森林に親しみながら学べる場所「まなびの森」へとシフトしていきます。森を育てるには悠久の月日が必要であり、富士山「まなびの森」も100年の計画です。100年先の未来も継続していけるよう、森づくりや環境活動を通じて、一人でも多くの人に自然の大切さを知っていただく活動を続けていきます。
環境学習支援プロジェクト
2006年度からNPO法人ホールアース研究所(現・ホールアース自然学校)と連携し、地元小中学校の児童・生徒を対象とする「環境学習支援プロジェクト」を継続しています。活動内容は樹木や野生生物の足跡など生息痕跡の観察、五感を使ったゲームなどです。これらの自然を見つめ直す活動を通じて自然の大切さを知ってもらい、新しい自然との共存関係を考えることを目的としています。2023年度は14校1,173名の児童・生徒を招待しました。2023年度にはこれまで招待した児童・生徒数の累計が14,000名を超えました。
環境教育プログラムの推移※
※2020年度以降の集計期間は各年1月〜12月、2019年度以前の集計期間は各年4月から翌年3月
モニタリング調査
富士山「まなびの森」では、自然林の回復状況をモニタリング調査しています。2000年から東京農工大学植生管理学研究室の協力の下、「植生調査」、日本野鳥の会南富士支部の協力の下、「鳥獣生息調査」を開始しました。また、2019年より常葉大学名誉教授の協力の下、「昆虫生息調査」を実施しています。これらの調査結果を活かして、今後の森林づくりの活動を継続していきます。
植生調査
「植生調査」では、植樹したブナやケヤキなどとともに、1996年の台風被害後に自然に芽生えたミズキ、キハダなども順調に成長していることが確認できました。この27年で、樹木が大きくなったばかりでなく、森林の構成種全体が回復していることが分かりました。2023年は、高木性樹種の樹幹の拡大が見られました。今後も引き続き経過をみていきます。
鳥獣生息調査/昆虫生息調査
「鳥獣生息調査」では、倒木が撤去されて土の見える環境から次第に草原、森林へと姿を変えていく中で、草原性のキジやモズが減少し、森林性の鳥であるキビタキやヤマガラを観察する機会が増えました。鳥類の生態からも、森林が順調に回復していることが分かっています。
「昆虫生息調査」については、2019年より3ヵ年計画(2021年は天候不良のため実施せず)で実施しました。2022年に3回目の調査を実施し、調査結果をまとめています。結果を踏まえ、今後の活動がより良いものになるよう、調査方法など改めて検討しています。
風倒跡地の植生変化
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植樹活動
「奥松島自然再生ボランティア」
住友林業は東日本大震災発生後の2012年に宮城県東松島市と「復興まちづくりにおける連携と協力に関する協定」を締結し、復興に向けて尽力しています。東松島市は津波で被害を受けた野蒜海岸付近の洲崎地区で、湿地再生による観光復興を目指しています。住友林業は、その活動の一環として2017年度から試験的に植樹活動を開始しました。土壌調査で酸性度が強いことが判明したため、植林に適した樹種の選定や植樹方法等を検討。加えて、(国研)森林総合研究所ら第三者の意見も参考に植樹計画を策定しました。
地域の皆様にも協力いただきながら木が順調に生育していることが確認できたため、2019年度より東松島市の野蒜海岸沿いの防潮堤で本格的に植樹活動「奥松島自然再生ボランティア」を始めました。
2023年は植樹活動に約200名が参加しました。地域の皆様、東松島市立宮野森小学校児童、住友林業の協力工事店、住友林業グループ社員が協力して、5種類の地域性植物850本を植樹しました。また、植樹の他、これまで植樹したエリアの苗木が大きく育つように下草刈りを実施しました。本活動では、宮野森小学校3年生への環境学習や地域性植物であるマルバシャリンバイを種から植樹する苗木になるまで自宅で育てる活動も実施しています。今後も地域とともに中長期的な活動に取り組んでいます。
地域社会との協働
住友林業グループでは、事業を展開する周辺地域の生物多様性保全や地域社会に密着した活動を、地域と共同で行っています。
ほっかいどう企業の森林(もり)づくりに参画
住友林業は、北海道内の環境保全に貢献できる植樹の輪を広げることを目的に、木材建材事業本部北海道支店の取引先企業3社※1と合同で北海道夕張郡栗山町と「栗山町企業の森林づくり」協定を締結しました。栗山町有林で植樹や下刈りを行います。本協定は「ほっかいどう企業の森林(もり)づくり」※2の一環です。
2023年10月に合同植樹体験会を実施。当社社員や合同で活動している取引先企業の社員や家族含め約60人が参加。森林組合の担当者から植樹の方法について説明を受け、約150本のトドマツを植えました。今後も取引先企業3社とともに森林保全活動を推進し、持続可能な地域社会の発展に貢献します。
※1山地ユナイテッド㈱、北海広葉木材㈱、㈱吉条木材商会
※2社会貢献活動として北海道が推進する取り組みで、道内の民有林の整備に取り組む企業・団体と自治体等の森林所有者をマッチングして、森林づくりを推進し、森林の持つCO2吸収機能や保水機能といった多様な機能を高めていくことを目的としている
「えひめ愛ロードサポーター」活動の実施
住友林業は、愛媛県が自発的な清掃美化活動を行う団体を支援する「えひめ愛ロードサポーター事業」において、2019年にモデルサポーターに認定され、毎年、春・夏の2回、在新居浜地区住友林業グループ各社も参加して、事務所周辺道路のボランティア清掃を行っています。
当該清掃活動においては、年初に「活動予定日」「活動路線(県道)」「参加予定者名簿」などを記載した計画書を、活動後には、活動報告書を提出することで、愛媛県より、ごみ袋、軍手など用具の提供、参加者の保険加入といった支援が受けられるため、参加者が安心して清掃活動を行い、地域の道路環境の美化推進に協力しています。
清掃活動参加人数
2022年3月 | 2022年10月 | 2023年3月 | 2023年7月 |
---|---|---|---|
35名 | 46名 | 40名 | 27名 |
森林総合教育の出前プロジェクト
住友林業は2021年10月に、岐阜県立森林文化アカデミー(morinos※1)と連携して森林総合教育の出前プロジェクト「morino devan(森の出番)」を開始しました。多岐にわたる、森を総合的にとらえたプログラム体験をヴァルトカーで出前する取り組みです。
2023年5月に、TBSが主催する「地球を笑顔にする広場」に参加しました。「一緒にやろう、SDGs!」というキャンペーンテーマでイベントを通じて、SDGsについて、知って体験してもらうという取り組みでした。住友林業は、木や砂の上をはだしで歩く「はだしのトレイル」や動物のはく製に触れることができる「さわれる博物館」など日常ではなかなか自然に触れ合うことのできない子どもたちを中心に、プログラムを提供しました。この体験を通じて、自然を長く守り続けるためSDGsについて考える機会となればと願います。
今後も出前授業による自然体験プログラムで全ての人と森がつながり「共生」する社会の実現を目指します。
※1岐阜県立森林文化アカデミーの中にある森林総合教育センターの愛称。全ての人と森をつなぎ森と暮らす楽しさと森林文化の豊かさを次の世代に伝えていくことを目的としている
名木・貴重木を後世に受け継ぐ技術
住友林業は、各地の名木・貴重木を後世に受け継ぐため、所有者からのご依頼により、従来の技術である接ぎ木や挿し木に加え、最新の技術であるバイオテクノロジーを活用しています。それにより名木・貴重木の花や葉といった性質をそのまま受け継いだ苗木を増殖し、名木・貴重木を後世に受け継ぐことに力を注いでいます。また、樹木のDNAデータベースを構築し、高度な個体識別も進めています。
日吉桜の組織培養増殖に成功
日吉大社の日吉桜は八重の山桜の一種で、一輪に30枚ほどの淡紅色の花びらをつけます。日吉大社境内で最後の一本とされた木が約20年前に立ち枯れたため、森林総合研究所、地域の人々の協力の下、 接ぎ木で日吉桜を育成し2014年に境内に里帰りしました。しかし、接ぎ木は台木が別品種で、将来台木の枝が主軸となり別品種になってしまう可能性があります。 そのため文化的・科学的に重要な日吉桜をより確実に継承すべく、全国各地の名木・貴重木で後継樹を育成してきた住友林業が組織培養技術による苗木の増殖を2023年に実現し、同年4月7日に日枝神社(宮司:宮西 修治、東京都千代田区)で苗木の贈呈式を実施しました。今後は組織培養で増殖した日吉桜の苗木を全国山王会に所属する神社に頒布し神社間の絆を深めるとともに、 地域の象徴として様々な方に楽しんでいただくことを目指します。
次世代育成教育
新居浜市中学校ふるさと学習への協力
新居浜市の各中学校は、新居浜発展の礎となった別子銅山の歴史や史跡に学ぶことで、地域の特色を理解し、郷土を愛する心情を高めるべく、別子銅山登山(ふるさと学習)を実施しています。
住友林業は、教育委員会の依頼により、中学生たちが登山前に植林の歴史を学び緑が蘇った別子銅山を感じてもらうため、フォレスターハウスの施設見学や説明に協力しています。
2023年5月 | 船木小学校 |
---|---|
2023年5月 | 新居浜市教育委員会現地研修 |
2023年11月 | 北中学校 |
他企業の社会貢献活動支援
「BAUM オークの森」での
植樹活動をサポート
住友林業は、株式会社資生堂のブランド「BAUM(バウム)」が岩手県盛岡市の「BAUM オークの森」で実施した植樹活動をサポートしました。昨年に続き、2023年は、住友林業が調達した約600本のオーク(ナラ)の苗木が植樹されました。
「樹木との共生」をテーマに掲げる資生堂のブランド「BAUM(バウム)」は、「樹木の恵みを受け取るだけではなく、自然に還していく」というブランドの思想を持っています。パッケージの木製パーツに使用するオーク(ナラ)の苗木をBAUM店舗内で育成し、育てた苗木を植樹し森林資源の循環を実現します。住友林業はBAUMが誕生した2020年6月より店舗内で育てる苗木の生産・メンテナンスや店舗内で育った苗木の植樹に向けたさらなる育成など、同ブランドの活動をサポートしています。
住友林業は、株式会社資生堂のスキン&マインドブランド「BAUM(バウム)」が、愛媛県新居浜市の市有林内に設定された「BAUMひのきの森」にて行う植樹活動をサポートします。活動開始にあたり、資生堂、愛媛県新居浜市との三者協定を2024年1月に締結しました。「BAUMひのきの森」への最初の植樹イベントは2024年5月に行われる予定です。
「樹木との共生」をテーマに掲げる「BAUM(バウム)」は、「樹木の恵みを受け取るだけではなく、自然に還していく」というブランドの哲学に基づき、森林資源を循環させる取り組みを行っています。
本活動において、住友林業は、原材料となる四国産ヒノキチップの供給、店頭で育てるヒノキ苗木の生産・メンテナンス、店頭で育ったヒノキ苗木のさらなる育成・植樹活動、植樹した森の管理等を通し、森林資源を循環させる同ブランドの取り組みをサポートしています。
植樹活動は、別子銅山の「銅山備林」経営を原点とする住友林業グループゆかりの地である新居浜市内で行います。最初の植樹活動には、店頭で育成されたのち、本山樹木育苗センターにて植栽可能なサイズに育成されたヒノキ苗木約600本が使用されます。
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