資源循環への取り組み

住友林業グループの資源循環

基本的な考え方

住友林業グループは、持続可能な循環型社会の構築のために、「住友林業グループ環境方針」及び、社内の「産業廃棄物管理規程」に基づき、各事業のプロセスにおいて産業廃棄物の発生抑制・再利用・リサイクルによるゼロエミッションを推進しています。 重点課題には「森」と「木」を活かしたサーキュラーバイオエコノミーの実現を掲げ、リサイクルやゼロエミッションの促進による資源保護などの環境負荷低減への取り組みを推進しています。 住友林業グループでは、この重点課題の達成を目指し、各事業本部においても施策を定めています。その達成状況は年度ごとに確認し、中期経営計画の最終年度である2024年度にはグループ全体の最終処分量を2021年比で5.4%削減、19,905tを目指し、結果は19,971tとなりました。

管理体制

住友林業グループでは、「産業廃棄物管理規程」に基づき、廃棄物処理法及び関係法令を遵守し、産業廃棄物の発生の抑制、適正な処理、再資源化及び再生利用の促進に取り組んでいます。
また、産業廃棄物の管理に関する基本方針を策定し、諸規定の整備ならびに管理体制の構築など必要な措置を講じています。
管理組織として、管理体制及び管理責任を明確にして、各排出事業所等には、その規模如何にかかわらず、会社の方針及び諸規程を順守し、産業廃棄物の適正管理のため、産業廃棄物管理者(管理責任者、管理担当者ならびに必要に応じて特別管理産業廃棄物責任者)を設置しています。
さらに、規程に基づき、異常事態発生時の措置や従業員、取引業者も含めて産業廃棄物管理の教育、指導にも取り組んでいます。

廃棄物管理に関するリスク管理

日本においては、不法投棄される産業廃棄物でもっとも高い割合を占めるのが建設系廃棄物です。不法投棄された産業廃棄物の量の内訳では、全体の72.6%が建設系廃棄物となっています。住友林業グループでは、産業廃棄物処理を環境リスクの中でも社会や事業に与える影響がもっとも大きいリスクの一つと捉え、適切な処理に努めています。

具体的には、廃棄物処理法及び関係法令などを遵守し、生産活動に必要な基準と手続きを定めた「生産規程」や産業廃棄物の発生抑制、適正処理、再資源化、再利用について定めた「産業廃棄物管理規程」を設けています。この規程に基づき、産業廃棄物を排出する国内の住友林業グループの各事業所では、マニフェストや処理委託の契約内容に関する自主監査を年2回実施しています。是正項目があった場合は、各事業所で適切な対応を実施したうえで、報告書を上位組織に提出し、グループ会社の適正処理を確認しています。

また、各事業所で委託先の処理場現地確認を年1回以上実施。2024年度は、住宅事業本部の担当者が処理委託先329社525ヵ所の処理場に対して、519回の現地確認を行いました。併せて、住宅事業本部以外の各事業本部やグループ会社の事業所に対して、同本部で現地確認を終えた処理場を利用するよう指導しています。さらに、2024年度からは、現地確認記録を電子回覧・保存し、情報を共有しています。

住友林業では、産業廃棄物が適切に処理されていることを把握するため、処理委託業者に電子マニフェストの利用を要請しています。住宅事業本部の支店及び新築住宅に関わる産業廃棄物の処理委託業者は全て導入を完了しており、住宅の解体廃棄物も含めた導入率は2024年度も100%を継続しています。

環境省発表令和5年度資料より

ゼロエミッション達成のための取り組み

住友林業グループでは、各事業所から発生する全ての産業廃棄物について、単純焼却・埋立処分を行わない、「リサイクル率
98%以上」をゼロエミッション達成と定義しています。この定義に従い、国内製造工場では2009年度、新築現場でも2012年度に首都圏エリアにおけるゼロエミッションを達成しました。2020年度には海外製造工場においてもゼロエミッションを達成しました。

またゼロエミッションについては事業活動状況や発生する廃棄物状況などを考慮し、「新築現場」「国内製造工場」「発電事業」「リフォーム事業」「海外製造工場」「解体工事現場」「その他の事業」の7区分に分け、従来より細かい管理を通じて達成を目指しています。2024年度は、「国内製造工場」にてゼロエミッションを達成しました。

廃棄物発生量及びリサイクル率推移

廃棄物発生量及びリサイクル率推移

2022年度よりコーナン建設の数値を含む

定期的なリサイクル製品の購入と使用

住友林業ホームテックでは、リフォーム現場で発生した木くずを廃棄物処理業者に委託し、その処理業者でマテリアルリサイクルされたパーティクルボードを定期的に購入して、別のリフォーム現場で床を保護するための養生材などに使用しています。

廃棄物管理に関する教育

住友林業グループでは各建築現場から発生する産業廃棄物は勿論、オフィスから発生する廃棄物に関しても各担当者が適切に対応出来るように知識の習得の取り組みを実施しています。

例えば、産業廃棄物の処理業務を担当する社員などを対象に産業廃棄物担当者研修を実施しています。2024年度は、オンラインを利用して、国内グループ各社の新任産業廃棄物処理業務担当者・産業廃棄物管理責任者など合計88名が研修を受講しました。また、住宅事業本部における技術系の新入社員や新任生産責任者には、独自の産業廃棄物の研修を実施しています。

さらに、eラーニングを活用した教育も実施しています。
2020年4月より、住友林業グループの社員が、産業廃棄物をはじめオフィスから発生する廃棄物管理の知識を習得できるように「廃棄物管理の基礎」と題したeラーニングを作成し、社内イントラネットで受講できるシステムを構築しました。また、2025年1月より、同コンテンツの入門編となるeラーニング「廃棄物管理の入門」を開講し、社員が廃棄物管理についての一般的な知識を習得できるようにしました。さらに、2025年より、住友林業グループ全従業員が必ず受講するeラーニングの講座に廃棄物管理に関する内容を組み込みました。

そのほか、住宅事業本部の生産部門の責任者には、業務に必要な知識取得のため、eラーニング「建築廃棄物管理のポイント」の受講とテストへの合格を必須としているほか、アスベストに関する規制の強化を受けてeラーニング「石綿の事前調査について」を設けて、知識習得の推進に取り組んでいます。
さらに、社外にも廃棄物管理に関する教育を実施しています。住宅事業本部では、毎月、「安全・環境・検査室情報」を支店に配信して最新の情報を周知した上で、施工協力店・解体業者などに指導・教育を行っています。

グリーン購入の推進

住友林業グループでは、「住友林業グループ環境方針」に基づき、全事業における商品やサービス開発、設計・生産、資材調達・物流、廃棄物管理などのすべての事業のプロセスにおいて、持続可能な社会の実現に貢献する活動を推進しています。その一環として、2006年に「グリーン購入ガイドライン」を策定し、当社の事業活動における物品の使用において、環境負荷の少ない製品・サービスを優先的に購入し、グループ社員全員参加で、環境保全活動に取り組むことを目的としています。事務用品において、2024年度の住友林業のグリーン購入率は63.9%と、2023年度の65.5%と比べ1.6ポイント減少しました。

プラスチックに関する対応

プラスチックへの対応基準を策定

プラスチックは短期間で社会に浸透し、われわれの生活に利便性と恩恵をもたらした一方、他素材に比べてリユース・マテリアルリサイクルされる割合は世界全体でもいまだ低く、海洋に流出したプラスチックによる汚染問題などが、世界的な課題となっています。住友林業グループは2019年8月に「プラスチックに関する対応」を定め、関連部署への啓発・周知を行いました。ノベルティ類、文房具類は、包装も含めて、プラスチック製品はできる限り代替を検討。社内の自動販売機・飲料保管等において、防災など特別な理由がない限り、ペットボトルを缶に切り替え、会議時におけるペットボトル飲料の配布を行わないなどの取り組みを実施しました。また、プラスチックへの対応内容を「住友林業グループグリーン購入ガイドライン」に反映し、改訂を行いました。

プラスチック資源循環促進法への対応

2022年4月1日に「プラスチック資源循環促進法」が施行されました。

この法律は、プラスチック製品の設計・製造、販売・提供、そして廃棄物の排出・回収・リサイクルまでに関わるあらゆる主体におけるプラスチック資源循環の取組み(3R+Renewable)を促進するための法律です。

前年度の排出量が250トン以上の「多量排出事業」については、目標の達成状況に関する情報も含めてインターネット等で公表する必要があります(対象は住友林業、住友林業ホームテック、住友林業クレスト)。

対象部門の目標取組み状況・施策状況

部門 項目 評価指標 2023/12期
(実績)
2024/12期
(実績)
2025/12期
(見込)
住友林業
(住宅)
排出抑制 プラスチック産廃排出量 286kg/棟 293kg/棟 292kg/棟
再資源化 固形燃料化(RPF)等への再利用を引き続き推進する
施策 2024年12月から床下断熱材プレカット化の施工検証を開始した。エリアによる段階的な導入を進め、2026年夏を目途に全棟導入を予定。40㎏/棟の削減効果を見込む。これらによりプラスチック産廃排出量の削減に取り組む
住友林業
ホームテック
排出抑制 完工高原単位排出量 0.0216t/百万円 0.0176t/百万円 0.0168t/百万円
再資源化 リサイクル率 82.5% 85.6% 86.0%
施策 発生抑制については、資材メーカーのプラ梱包材削減を協議、現場リユース養生材の使用等による削減に取り組む。再資源化については、中間処分業者と処分方法等の協議を行うことにより、更なるリサイクル率の向上に取り組む
住友林業
クレスト
排出抑制 プラスチック産廃排出量 227.8t 262.2t 前年度より削減
再資源化 リサイクル率 98.7% 99.5% 前年度より改善
施策 発生抑制については、工程内仕損じの削減や手配間違いによる返品の削減に取り組む。排出抑制については、製品部材の梱包数集約による梱包材の削減などに取り組む
サステナビリティレポート
2025サイトマップ