宿泊施設
- 設計監修|施工
生木と生湯の、おもてなしの共演。
ホテル(愛媛県松山市)
設計:BALL architecture/施工:住友林業・BRC特定建設工事共同企業体/構造:〔別邸〕 準耐火建築・鉄骨造・地下1階地上2階建て[離れ]木造軸組工法・2階建て/客室数:10室/建築地:愛媛県松山市/延床面積:1,253.68㎡(379.24坪)/受賞:第12回まつやま景観賞(きらめき奨励賞 建築部門)・ウッドデザイン賞2021(ハートフルデザイン部門)
国の重要文化財である道後温泉本館の隣接地で、道後の歴史と文化を継承し、自然の恵みである木と温泉にこだわりました。当社が設計監修・施工を担った、初めてのホテルです。建築コンセプトは「生木(なまき)」。本物の手触りと香りを感じて欲しいという思いと、源泉掛け流しの「生湯(なまゆ)」との共演をめざしました。愛媛県で育った良質な檜と杉の国産木をふんだんに使い、地産地消の文化も大切に継承しています。道後温泉本館は、初代町長が百年先でも真似のできないものをつくるという信念で、明治23年改築に取り組みました。その木のもつ経年美化という考えのもと、私たちは〝榯美色(ときみいろ)“の風合いと呼んでいます。この施設が百年後に榯美色となり、道後の風格の一部として同化していくことを願っています。
「琴の舞台」と名付けたウッドデッキを望む、広々と開放的なエントランスロビー。古民家の空気感漂う三和土(たたき)をイメージした床、風としなやかに揺れる竹林が、訪れるゲストを迎え入れる空間としました。