商業施設
- 設計|施工
時を積み重ねて、森になっていく。
飲食物品販売店舗・事務所(奈良県桜井市)
店舗ディレクション:graf/構造:木造軸組工法・2階建て/建築地:奈良県桜井市/延床面積:683.75㎡(206.83坪)/掲載誌:商店建築 2020年7月号/受賞:2020年度グッドデザイン賞・ウッドデザイン賞2021
素麺発祥の地と言われる奈良県桜井市の三輪素麺の伝統を発信する老舗店舗。外観を包み込むように植えた木々は、やがて森となり米松の列柱とともに美しく変化していくよう提案しました。設計コンセプトは、〝森をつくる″。入口へのアプローチは公園の遊歩道をイメージし、内装を含め自然素材の木と割石の壁・土壁にこだわり、森林浴のような雰囲気を醸し出しています。
太い柱と梁を見せる現しのラーメン構造で、木部の造作材とも調和し明るく開放的な大空間を実現。天井は米杉、壁にはヨーロピアンオーク、柱と梁は米松を使用し、異なる樹種のテクスチャーで視覚的な木のやさしさや温かみを表現しています。また、木の呼吸を止めずに膜も張らない、自然素材の塗装で環境に配慮。食文化の伝統を守りながら素麺の新たな価値を提案する、木の香り漂う癒しの空間となりました。
1階店舗の飲食スペースと手延素麺の販売スペースは開放感を演出するため、あえて分けずに回遊できるようにした。天井には米杉、現しの構造柱と梁は米松を選択し、空間全体におだやかな印象を表現している。