住友林業のスマート林業

森林経営のトップランナーとして
効率化・高度化で林業全体の活性化を図る

日本の林業は、地形が急峻であることや所有規模が零細などの理由で機械化が遅れ、世界に比べ、林業の生産性が低くなっています。
この日本の林業を取り巻く様々な条件のもと効率的な森林経営を行うためには、最新技術を導入し、「路網の整備」や「林業機械の導入」など経営基盤となる条件整備を進めていくことが必要です。
当社の森林経営では、最新の技術を取り入れ、林業の効率化や高度化を図り、林業全体の活性化を目指しています。

住友林業のスマート林業

植える、育てる、収穫するの木の循環の中で、様々な最新の技術を活用しスマート林業を進めています。「森林ICTプラットフォーム」で、森林の整備・管理・振興の計画。「路網設計支援ソフト(FRD)」でインフラ整備を効率化。植林時には、「コンテナ苗木」や「林業用苗木運搬ドローン」で再造林を支援。植栽や下刈り時には、「林業アシストスーツ」で労働負荷を軽減。主伐期には、「タワーヤーダ」や「テザー」を使用し伐採環境を向上しています。

※資料:「平成29年度森林及び林業の動向(第196回国会(常会)提出)」資料Ⅳ-39 森林資源の循環利用(イメージ)をもとに作成

ICTの活用により、地域独自の森林整備や林業振興を支援
「森林ICTプラットフォーム」

ICTを活用して、地域の森林の資源や所有者情報を一元管理し、森林管理を効率化・高度化できるGISシステムです。
各地域の森林・林業に関する独自の情報を追加で搭載することで、市町村による様々な施策立案や、林業事業体による森林施業の計画作成を支援します。

路網設計・管理業務の効率化・省力化
路網設計支援ソフト「Forest Road Designer (FRD)」

航空レーザ計測などから得られた精緻な地形データ等を活かして、林道や作業道などの林業用路網の線形案を自動設計できるとともに、ユーザー独自のパラメータを調整することで、崩れにくく低コストな線形案を効率的に設計することもできます。
FRDにより、現地踏査回数の大幅削減や、線形案の妥当性確認、コスト・リスクの評価など、路網設計・管理業務の効率化・省力化を図り、林業の活性化と安全性向上を支援します。

主伐後の確実な再造林による森林資源の循環に貢献
「コンテナ苗木」生産

日本では、今後、主伐が増えることが予想され、その主伐後の再造林のために多くの苗木が必要になります。住友林業では、品質、量ともに安定した効率的な苗木生産が可能な「コンテナ苗木」の生産に取り組んでいます。

現在、ほぼ通年での生産・出荷が可能な施設栽培型の苗木生産施設を全国6か所に整備し、年間約190万本の苗木生産が可能です。
苗木の安定供給により、確実な再造林を支援することで、日本の森林資源の循環活用に貢献していきたいと考えています。

住友林業の苗木施設整備状況

重労働である苗木運搬を省力化させる
「林業用苗木運搬ドローン」

重労働である植林地へのコンテナ苗木運搬の労働負荷を軽減させるために、「林業用苗木運搬ドローン」を開発しました。
高精度のGPSを搭載し、運搬ルートを記憶させることでドローンの自動飛行や遠隔のモニター操作での荷下ろしも可能です。
例えば、これまで80分必要だった距離でも往復でたった5分。数名で行っていた作業もドローン1台でできるため、確実な省力化やコスト削減が見込まれ、作業スケジュールの短縮も可能になります。

傾斜地における伐採作業の効率性と安全性の向上を目指して
ウインチアシスト型林業機械 「テザー」

現在、傾斜地での伐採作業は重機ではなく、チェーンソーを使用せざるを得ず、作業者の労働負荷や安全性の確保が課題です。「テザー」は、伐採・搬出重機をアシストするためのワイヤーで引っ張ることで、重機の安定姿勢を保ち、傾斜地でも伐採・搬出重機を使用した作業が可能です。傾斜地での伐採作業効率と安全性が格段に改善し、生産性の大幅な向上が期待できます。