ニュースリリース(2009年)

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2009年10月29日

インドネシアで大規模産業植林事業開始について
~合弁会社を設立して4万ヘクタールを対象に着手
将来は28万ヘクタールまで拡大~

住友林業株式会社(社長:矢野 龍 本社:東京都千代田区大手町1丁目3番2号)は、インドネシアの山林・合板製造会社であるAlas Kusumaグループ(アラス・クスマ グループ 以下、Alas)と、大規模産業植林事業を開始することを決定しましたので、お知らせします。

当社のシンガポールの現地子会社であるシンガポール住友林業とAlasのグループ会社PT. Sari Bumi Kusuma(サリ・ブミ・クスマ社 以下、SBK社)が、この植林プロジェクト実施のために設立した、PT. Wana Subur Lestari(ワナ・スブール・レスタリ社 以下、WSL社)の発行済株式総数の50%ずつを保有して事業を行います。事業対象となる植林地を、当初は4万ヘクタールから始め、最終的に28万ヘクタールまで拡張する計画です。本年10月から試験植林を開始し、2010年には本格的な植林に着手する予定です。

1. プロジェクトの狙い
  世界人口の増加に伴い、木材消費量の増加が予想されています。特に、インドネシアを始めとする東南アジア諸国や、中国、インドなどのアジア各国は、人口増大に加えて生活水準の向上により、木質建材や紙の原料、バイオマス燃料としての木材需要の増加が確実視されています。そこで当社では28万ヘクタールという広大な面積で、地域社会の発展と環境への配慮を十分に行った上で植林木を持続的に生産することで、世界の木質素材需要増加に応えていきます。
2. プロジェクトの意義
  世界第3位の熱帯森林国であるインドネシアは、森林火災、違法伐採、焼畑耕作等によって、森林の消失と劣化が急激に進んでいます。FAO(Food and Agriculture Organization of the United Nations:国際連合食糧農業機関)の報告によれば、同国の森林面積は2000年には9,785万ヘクタール(森林率54%)だったものが、2005年には8,850万ヘクタール(同49%)と大きく減少しており、年間190万ヘクタールのペースで森林減少が続いています。
本プロジェクトは、日本とインドネシア両国を代表する林産事業会社である当社グループとAlasが、双方の経験と経営資源を活かして、持続可能な大規模産業植林事業を行います。インドネシア共和国林業省から「産業植林木材林産物利用事業許可」(※1)の発行を受けて事業を行い、産業植林の担い手として地域住民を雇用することで、地域社会の発展に寄与するとともに、違法伐採や無秩序な焼畑耕作による森林破壊の防止や、温室効果ガスの放出抑制にも積極的に貢献していきます。
    (※1)「産業植林木材林産物利用事業許可」
    インドネシア共和国政府から発行される、同国において大規模産業植林を行うための事業許可。100年間の植林事業が可能となります。
3. 植林エリア及び植林手法
  本植林事業が対象とするのは、違法伐採と焼畑耕作によって荒廃した低地林や泥炭湿地林(※2)が中心となります。これらのエリアでは、現在でも違法伐採や焼畑耕作が続けられているにも関わらず有効な対策がとられていないため、本来残すべき森林や貴重な動植物の消失が危惧されています。本植林事業では、このような低地林や泥炭湿地林において、(1)保護すべき森林、(2)バッファ(緩衝)ゾーン、(3)植林対象地とエリアを3つにゾーニングし、さらに、植林対象地は土壌の性質や水分条件といった環境因子の違いによって細かく区分することで、それぞれの環境に最適な植林施業を行います。
植林計画立案には、独立行政法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が提供する、宇宙オープンラボ制度での共同研究(※3)を通じて得られた先端的な衛星情報利用技術を応用します。同時に、適切な保護区の設定、植林適地だけを抽出して植林するモザイク・プランティング、さらに、在来種の積極的な導入を行うことで、生物多様性保全にも配慮した施業を行いサステナブルな産業植林地へと再生させる計画です。
    (※2)泥炭湿地林
    泥炭湿地を特徴づける泥炭土壌は、不適切な開発が行われると、大気中に温室効果ガス(二酸化炭素やメタンなど)を大量に放出することが知られています。本プロジェクトでは、京都大学生存圏研究所及び東南アジア研究所との共同研究によって、開発による泥炭の分解とそれに伴う温室効果ガスの放出を最小限に抑える施業法を実施します。
    (※3)JAXAが提供する宇宙オープンラボ制度での共同研究
    (URL) http://aerospacebiz.jaxa.jp/openlab/index.html
             http://aerospacebiz.jaxa.jp/openlab/case/21p03.html
    当社はJAXAが募集した「宇宙オープンラボ制度」に広島工業大学環境学部・菅教授と共同で、研究テーマ「開発途上国における植林事業のための衛星情報活用モデルの構築」を提案し、平成20年度に採用され現在も継続中です。観測衛星情報を活用した新たな植林技術の確立を目指します。
4. 当社グループと合弁パートナーであるAlasの役割
  住友林業グループは植林技術や育種育苗技術の提供、及びファイナンス面でのサポートを行います。一方、AlasはWSL社の設立、各種申請・許認可取得、地域社会との合意形成など行います。本植林事業は当社の植林など木に関する技術力や経験と、合弁事業のパートナーであるAlasのインドネシアでの事業に関するノウハウを融合することで初めて可能となる事業であり、大きな相乗効果が期待できます。
5. 本プロジェクトの今後の展開
  植林地について、当初は4万ヘクタールから始め、最終的にはAlasのグループ会社が認可取得又は申請中の場所を加えた28万ヘクタールまで拡張します。同時に生産される植林木の価値を最大化するため、パルプ製造業を含めた木質ファイバーコンプレックスの建設も視野に入れた事業展開を進めます。
6. 合弁会社の概要
  社名 :PT. Wana Subur Lestari(ワナ・スブール・レスタリ社)
〔インドネシア語で「永遠に豊かな森」の意味〕
  設立 :2009年10月
  場所 :インドネシア共和国 西カリマンタン州 クブ・ラヤ県
  植林地 :(初年度)  40,040ヘクタール (うち植林可能面積27,300ヘクタール)
  (2019年) 約280,000ヘクタール
  資本金 :200億IDR(インドネシアルピア)   (発行済株式数 20,000株)
  株主構成 :シンガポール住友林業 50%、 SBK社 50%
  従業員数 :30人(当初の予定)
  事業内容 :産業植林及び丸太の販売

住友林業グループでは、今後の長期的な方向性を示した、長期経営計画「PROJECT SPEED」において、「新たな収益事業の創出」と「社員の意識改革」を目的に掲げていますが、この計画の中で「海外事業」は「不動産事業」、「リフォーム事業」とともに重点育成事業のひとつとして位置づけています。植林プロジェクトにつきましては、世界的なニーズが高く、当社の技術やノウハウが活かせる事業として、今後も拡大していきます。


以上
≪お問合せ先≫
住友林業株式会社
コーポレート・コミュニケーション室 松家
TEL:03-3214-2270
FAX:03-3214-2272

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