SBT(Science Based Targets)の策定

気候変動による影響が世界で深刻化する中、企業には地球温暖化対策として、温室効果ガスの排出削減が求められています。当社グループは、SBTイニシアティブに対し、2017年6月にSBTを策定することを宣言し、グループ全体での新たな温室効果ガス削減目標を策定しました。2018年7月には、SBTとして認定されました。住友林業グループのSBTは、次のとおりです。

  • ① スコープ1・2:2030年温室効果ガス排出量を2017年(基準年)比21%減とする

  • ② スコープ3:カテゴリー1及び11合計の2030年温室効果ガス排出量を2017年(基準年)比16%減とする

当社グループは、今後、SBTに基づき、これまで以上に、徹底した省エネ活動、再生可能エネルギー活用の推進など、温室効果ガス排出削減、気候変動緩和対策に向け積極的に活動していきます。

※ SBTイニシアティブとは、2015年に、国連グローバル・コンパクト、CDP、WRI(世界資源研究所)、WWF(世界自然保護基金)の4団体が、産業革命前からの気温上昇を2℃未満に抑えるための科学的根拠に基づいた温室効果ガスの排出削減目標を推進するために設立したイニシアティブ。日本においては、環境省がSBTを「企業版2℃目標」と和訳し、企業での取り組みを推進

SBTロゴマーク

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SBT認定目標の進捗状況

2018年7月、住友林業グループの温室効果ガス排出削減目標は国際的なイニシアティブである「SBTイニシアティブ」による認定を取得しました。進捗状況は下記のとおりです。

目標内容 基準年
2017年度
t-CO2e
2018年度
t-CO2e
増減率

① スコープ1・2:2030年温室効果ガス排出量を2017年(基準年)比21%減とする

369,785 381,613 3.2

② スコープ3:カテゴリー1及び11合計の2030年温室効果ガス排出量を2017年(基準年)比16%減とする

8,895,066 9,009,596 1.3

※ 2018年度、温室効果ガス排出量の増加要因は、2018年4月より八戸バイオマス発電が本稼働によるもの

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GHGプロトコルに基づくスコープ別温室効果ガス排出量

住友林業グループは、2012年度より、国際的に広く用いられている温室効果ガス算定基準「GHGプロトコル」に準拠したスコープ別※1の数値を把握しています。住友林業グループでは、近年の再生可能エネルギー需要増加を鑑み、2011年にバイオマス発電事業に参入、2016年12月には連結子会社である紋別バイオマス発電所が営業運転を開始しました。この発電所では、未利用木材を主燃料とする一方で、スムーズな運転とメンテナンスのために補助燃料として石炭を利用しています。そのため、住友林業グループの2018年度のスコープ1・2のCO2総排出量は、前年比3.2%増の381,613t-CO2eとなりました。

また、事業別でみると、国内工場・発電事業が56.9%、海外工場が29.0%を占めています。スコープ3については、2013年度に算定を始め、2015年度と2017年度に算定対象を大きく広げました。その中でも特にカテゴリー11「販売した戸建住宅の居住時の排出」の与えるインパクトが大きいことを認識しており、住宅・建築事業では2020年度のZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)普及、居住時のCO2排出量の削減を図っています。

今後も、SBT※2による目標達成に向け、一層の温室効果ガスの削減に努めていきます。

※1 GHGプロトコルでは、以下の分類で温室効果ガス排出量を開示することを求める
スコープ1:自社での燃料使用などによる温室効果ガスの直接排出。 例)社有車のガソリン使用に伴うCO2排出量
スコープ2:購入した電力・熱による温室効果ガスの間接排出。 例)オフィスの電力使用に伴うCO2排出量
スコープ3:サプライチェーンの温室効果ガス排出量。 例)販売した製品の使用時のCO2排出量

※2 Science Based Targets。世界の平均気温の上昇を「2℃未満」に抑えるために、企業に対して、科学的知見と整合した削減目標の設定を求めるもの

スコープ1・2のCO2排出量推移第三者保証マーク

※ 発電事業(紋別バイオマス発電、八戸バイオマス発電)の数値を除く

スコープ1・2の事業別内訳(2018年度)

スコープ1・2の事業別内訳(2018年度)

2018年度スコープ1・2のCO2排出内訳

(万t-CO2e)

国内外オフィス 国内非オフィス 海外非オフィス 合計
スコープ1 2.8 21.3 2.2 26.4
スコープ2 1.6 1.1 9.0 11.8
合計 4.5 22.4 11.3 38.2

スコープ3のカテゴリー別排出量第三者保証マーク

スコープ3のカテゴリ別排出量

スコープ3のカテゴリー別排出量第三者保証マーク(3ヵ年)

(万t-CO2e)

カテゴリー 当社算定対象 2016年度 2017年度 2018年度

1 購入した製品・サービス

自社が購入した製品・サービスの上流の排出 122.8 254.3 262.5

2 資本財

購入した設備等の上流の排出 6.1 7.1 7.2

3 スコープ1・2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動

購入した燃料・電力・熱・水の上流の排出 0.9※2 2.1※2 2.0※2

4 輸送、配送(上流)

① 購入した製品・サービスのサプライヤーから自社への物流に伴う排出及び、自社が費用負担している①以外の物流サービスに伴う排出 26.8 42.0 43.3

5 事業から出る廃棄物

廃棄物の処理とその輸送時の排出 1.0 0.8 0.8

6 出張

従業員の出張(交通機関での移動・宿泊)に伴う排出 0.1 0.2 0.2

7 雇用者の通勤

従業員の通勤に伴う排出 0.3 0.5 0.5

8 リース資産(上流)

(上流のリース資産(オフィスビル、重機、車両、設備等)の使用時の排出はスコープ1および2に計上) - - -

9 輸送、配送(下流)

販売した製品の輸送時の排出 0.7※2 10.6※2 10.7※2

10 販売した製品の加工

販売した原木の合板への加工時および販売した製材品のプレカット加工時の排出 5.0 5.2 5.4

11 販売した製品の使用

販売した戸建住宅の居住時の排出 205.4 635.2 638.4

12 販売した製品の廃棄

販売した戸建住宅の解体・廃棄時の排出 4.2 4.7 4.8

13 リース資産(下流)

(リース先は住友林業グループ内のみであり、当社グループのスコープ1および2に計上) - - -

14 フランチャイズ

(対象外) - - -

15 投資

投資先の排出(当社持株比率分) 9.1 9.0 11.7

※1 2016年度までは国内、2017年度からはグループ全体で算出。一部は、環境省が公表するデータベースなどを利用した数値。今後、可能なものは実測するなど、より精度を高める

※2 2017年度より海外推定輸送距離を以下のように設定。短距離:20km、中距離:500km、長距離:1,000km

2018年度企業活動に伴う温室効果ガスの総排出量第三者保証マーク

2018年度企業活動に伴う温室効果ガスの総排出量

スコープ1・2・3の排出量推移

スコープ1・2・3の排出量推移

※ 2015年度より、スコープ3の算定範囲を従来の3カテゴリーから15カテゴリーに拡大

※ 2017年度より、スコープ3の算定範囲を従来の日本国内から住友林業グループ全体に拡大

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事業活動に伴うエネルギー消費量

住友林業グループにおける2018年度のエネルギー消費量は3,015,835MWhとなりました。2016年度から2017年度にかけて紋別バイオマス発電、八戸バイオマス発電が試験稼働及び営業運転を開始したことによりエネルギー消費量は増加しています。

2018年4月に八戸バイオマス発電が本稼働したことで、大幅なエネルギー消費の増加は収まり、2019年度以降、エネルギー消費量は減少に転じる見込みです。発電事業以外の事業のエネルギー消費量については、様々な省エネ活動によりエネルギー消費量の減少に努めています。

※ マテリアルバランスにおけるエネルギー投入量は環境省「環境報告ガイドライン」に基づきTJの単位で算出。いずれも同じエネルギー使用量から算出

過去4年間のエネルギー消費量推移

過去4年間のエネルギー消費量推移

※ 2017年3月にアルパイン・エムディーエフ・インダストリーズ社(Alpine)を売却したため、同社の数値を除く

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オフィス部門のCO2排出量削減

住友林業グループのオフィス部門における2018年度のCO2排出量は30,455t-CO2、旧CSR中期計画での基準年度(2013年度)比で14.1%削減(前年度比4.4%削減)となりました。

国内グループ会社の全事業所では低燃費車の導入を進めており、2018年度に導入した社有車556台のうち、503台を低燃費車としました(低燃費車の導入比率90.5%)。合わせて、業務上車輌を運転する社員を対象にJAF(一般社団法人日本自動車連盟)が主催するエコトレーニングへの参加を促しています。

また、電力使用量の削減にも取り組んでいます。住宅・建築事業本部では、オフィスをフリーアドレス化して効率的に利用することで、電力使用量を削減しているほか、展示場などへの太陽光発電システムやLED照明の導入を進めています。

今後も、長時間労働の削減などを実施して社員の意識向上を図るなど、CO2排出量の削減を進めていきます。

 

旧CSR中期計画
2020年度までに自社オフィス部門(対象:国内外連結会社)でのCO2総排出量を2013年度比7%削減する

千葉県成田展示場(太陽光パネル搭載)

千葉県成田展示場(太陽光パネル搭載)

オフィス部門のCO2排出量(t-CO2

年度 2013年度
(基準年度)
2016年度
(実績)
2017年度
(実績)
2018年度
(実績)
2018年度
(目標)
CO2総排出量 35,440t-CO2 32,660t-CO2 31,871t-CO2 30,455t-CO2 31,407t-CO2
2013年度比増減率 - 7.8%減 10.1%減 14.1%減 11.4%減

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非オフィス部門のCO2排出量削減

住友林業グループでは、国内非オフィス部門として住友林業クレスト株式会社、住友林業緑化株式会社 農産事業部(旧:スミリン農産工業株式会社)の製造工場と筑波研究所、首都圏資源化センター、スミリンフィルケア株式会社(旧:株式会社フィルケア)、河之北開発株式会社、ジャパンバイオエナジー株式会社と、海外非オフィス部門としてRPI、ASTI、KTI、VECO、NPIL、SRP、CCCの海外製造工場とOBTで、各社で目標を設定して削減に取り組んでいます。

2018年度は、八戸バイオマス発電の本稼働により、2.8%増加となりました。

 

旧CSR中期計画
CO2排出量については、各社で目標を設定(2015~2020年度平均原単位年1%以上削減)して取り組む

主な非オフィス部門のCO2排出量削減実績と目標(原単位)

会社名 2016年度
(実績)
2017年度
(実績)
2018年度
(実績)
2018年度
(目標)
住友林業クレスト 4.5%削減 4.1%削減 2.2%増加 3.0%増加
住友林業緑化 農産事業部(旧:スミリン農産工業) 54.6%増加 0.6%削減 1.6%増加 11.7%削減
リンバ・パーティクル・インドネシア(RPI) 15.8%増加 9.6%削減 1.2%削減 0.5%削減
アスト・インドネシア(ASTI) 16.0%増加 9.0%増加 20.6%増加 4.1%削減
クタイ・ティンバー・インドネシア(KTI) 3.1%増加 10.8%削減 4.3%増加 0.8%増加
ネルソン・パイン・インダストリーズ(NPIL) 0.7%削減 5.8%削減 0.2%増加 23.7%増加
ヴィナ・エコ・ボード(VECO) 5.4%削減 38.0%増加 10.6%削減 23.9%削減

※ 増減は前年度と比較して算出

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輸送に伴うCO2排出量の削減

改正省エネ法では貨物の輸送に関して、荷主※1は「エネルギー消費原単位を中長期的にみて年平均1%以上低減する」ことが求められています。住友林業と住友林業クレストは国への報告が義務付けられている「特定荷主(年間の貨物輸送量が3,000万トンキロ※2以上)」に該当しています。そのため、住友林業は輸送に伴うエネルギー消費原単位※3を前年度比1%以上削減するように年度単位で目標設定しています。また、住友林業クレストでも前年度比でエネルギー消費原単位を減らすように目標設定しています。

2018年度の住友林業のエネルギー消費原単位は前年度比で93.3%、住友林業クレストは98.3%でした。

今後はさらに、積載効率向上や陸送から海上輸送へのモーダルシフト、建築資材の配送の帰り便を利用した廃棄物輸送など、輸送業者と協力してCO2排出量削減に取り組んでいきます。

※1 省エネ法上の「荷主」とは、自らの事業に伴う貨物を継続して輸送業者に輸送させる者のこと

※2 貨物輸送量(トンキロ)=貨物重量(トン)×輸送距離(km)

※3 住友林業は取扱量、住友林業クレストは売上高による原単位で実績を管理

輸送に伴うエネルギー使用量・CO2排出量・エネルギー消費原単位(2018年度実績)

エネルギー使用量(原油換算) CO2排出量 エネルギー消費原単位
住友林業 2,550kL 6,821t-CO2 0.00174kL/m³
(前年度比93.3%)
住友林業クレスト 1,953kL 5,188t-CO2 79kL/千円
(前年度比98.3%)

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効率的な配送システムの構築

住友林業は、複数メーカーから集める「住友林業の家」の資材を、いったん全国28カ所の中継センターに集め、混載して配送するシステムにより、輸送過程で排出されるCO2排出量の削減を図っています。物流事業のホームエコ・ロジスティクス株式会社では、住友林業グループの住宅事業を中心に物流業務を受託し、資材メーカーや住宅メーカー、ビルダー、建材流通店に対しても積極的に効率的な物流業務の提案を行っています。2018年度には倉庫内作業の効率化・在庫管理の合理化提案を主眼としたコンサルティング業務を建材納材店2社より受託しました。2019年3月現在、物流業務の受託先は56社を超えています。今後は住宅着工棟数減少による荷量不足が予想されるため、複数の企業による共同配送にも積極的に取り組んでいきます。

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企業・IR・CSR情報