持続可能な森林経営

社会貢献型植林活動

社会貢献型植林活動

苗木無償配布と丸太買い取り保証

インドネシアの製造子会社であるクタイ・ティンバー・インドネシア(KTI)とベトナムの製造子会社であるヴィナ・エコ・ボード(VECO)は、成長後の丸太を原材料として市況価格での買い取りを保証した上で地域住民に苗木を無償配布しています。KTI2015年に、地域住民の収入の安定に貢献すると同時に、地域社会の環境保全にもつながっているとして、インドネシア環境林業省より大臣賞を受賞しました。

苗木の提供本数

企業名 2022年度実績
KTI 38万本
VECO 50万本
大臣賞受賞を喜ぶKTI社現地スタッフ

大臣賞受賞を喜ぶKTI現地スタッフ

地域住民との森林認証取得推進

KTIは、地域住民と植林協同組合であるコペラシ・セルバ・ウサハ・アラス・マンディリKTI(KAM KTI)を組織。2008年に152haの植林地でFSC®-FM認証を取得し、2017年には同じく植林共同組合であるコペラシ・ブロモ・マンディリKTI(KBM KTI)206haにおいて同認証を取得しました。2022年時点で、KAM-KTIは1,005ha、KBM-KTIは1,330haまで拡大し、原木の供給をKTIに行っています。認証林面積は合計で2,335haとなり、認証材の供給量も増加することから、環境価値の高い製品の製造・販売をさらに強化していきます。

※ KAM KTI:FSC-C023796、KBM KTI:FSC-C133562

植林地風景

植林地風景

政府との協働による森林再生への貢献

住友林業は2013年より国際協力機構(以下、JICA)と協定を結び、ベトナム社会主義共和国(以下、ベトナム)ディエンビエン省で、森林の保全や荒廃地への植林等による森林管理活動に加え、森林への過度な依存を減らす生計向上支援を総合的に実施しました。同省は、ベトナムでもっとも貧しい地域の一つで、住民による農地の拡大や野焼きなどにより森林荒廃が深刻化していました。しかし、発電用ダムが点在するなどベトナム全域における重要な水源地であることを考慮し、同省に対して JICAが実施する森林を守る組織づくりと保全活動、植林、果樹や野菜の栽培支援、魚や家畜の飼育サポートなどの支援の一部を行っています。住友林業が約7年間の支援活動を行ってきた本プロジェクトは2020年度をもって終了し、現地住民に累計で 約4.5万本の苗木を無償提供するなど、同地域で森林再生・保全に取り組み、 6ヵ所で、約29haの森林再生を行いました。

家畜の放し飼いの習慣がある同省では、植林した苗木が家畜の食害を受け、十分に活着・成長しないことが課題となっていました。そこで、住友林業は保護柵を導入した植林モデルを推進。従来の植林モデルより苗木の生存率が高くなり、保護柵付きの植林モデルの有効性を実証しました。これらの成果が同省農業農村開発局に認められ、2018年10月に同省より表彰されました。

表彰式

表彰式