製品・サービスの
安全及び品質管理

住宅事業における製品の安全・品質管理

設計性能評価

お客様の安心・安全、そして資産価値向上につなげるために、住宅性能表示制度※1の利用を積極的に推進しています。2023年度における住宅性能表示制度の実施率※2は、設計性能評価で99.8%、建設性能評価で99.7%となり、長期優良住宅の認定取得率は95.9%となりました。

※1お客様が客観的に住宅の品質・性能を判断できるよう、第三者機関が設計時の「設計性能評価」と建設完了時の「建設性能評価」を提供するしくみ

※2住宅事業本部における増改築を含む戸建住宅の全着工棟数に対する申請数比率(2023年1月1日~2023年12月31日の設計・建設性能評価申請が対象)

住宅性能表示制度の実施率

2020 年度 2021 年度 2022 年度 2023 年度
設計性能評価 99.4% 99.5% 99.8% 99.8%
建設性能評価 99.3% 99.3% 99.8% 99.7%

2021年度以降の集計期間は各年1月~12月、2020年度の集計期間は4月〜12月

長期優良住宅認定

住友林業では、「住友林業の家」の標準仕様として、「長期優良住宅※1」の認定条件※2を全て最高等級(「住宅性能表示制度」の評価を適用)でクリアすることを設定しています。商品開発から施工、アフターサポートに至る製品安全・品質管理体制を確立することで、高品質でトータルバランスに優れた住まいを提供しています。

※1ストック型社会の実現に貢献する住宅の普及を目的にした国土交通省が定める長寿命住宅の認定制度

※2戸建住宅では住宅性能表示制度に基づき、耐久性、耐震性、メンテナンス性、省エネルギー性などを評価

長期優良住宅認定取得率

2020 年度 2021 年度 2022 年度 2023 年度
長期優良住宅認定取得率 94.7% 94.9% 96.3% 95.9%

2021年度以降の集計期間は各年1月~12月、2020年度の集計期間は4月〜12月

長期優良住宅の基準と「住友林業の家」の標準性能

認定の種別 認定の条件 住友林業の家の標準性能
耐久性 長持ちする家であること 劣化対策等級 3 定期的な点検を可能とする措置
最高等級 3 に対応
耐震性 地震に強い家であること 耐震等級 2 以上 最高等級 3 に対応
メンテナンス性 メンテナンスしやすい家であること 維持管理対策等級 3 最高等級 3 に対応
省エネルギー性 断熱性能等が確保されている家であること
断熱等性能等級 5 以上 等級 5 以上に対応
一次エネルギー消費量等級 6 等級 6 に対応

等級の数字が大きくなるほど評価は高くなる

製品安全・品質管理のしくみ

商品開発

  • 消費者ニーズやオーナーアンケートを基に、新たな技術や部材、ライフスタイルを取り入れた住宅商品などを開発
  • 住宅事業本部と筑波研究所が共同で実証棟実験や試作品検証を行い、保証内容に至るまでお客様の声を活かした商品づくりを推進

設計

  • 契約時と実施設計段階において、独自システムを使用して意匠・構造をチェック
専属の設計士が担当

専属の設計士が担当

資材調達

  • 全ての資材について毎月1回実施する「部材採用会議」でデザインレビューを実施。筑波研究所と部材採用会議が定めた採用基準・品質基準をクリアしていることを部材ごとに確認
  • 部材採用会議にて認可し、実際に現場で使用後(約2年後をめどに)、再度デザインレビューを行い、計画通りの出荷数量かどうか、品質面で不具合がないかどうかを確認

施工

  • 独自の現場管理システムによって、各建物の施工情報、工程管理、品質管理、安全管理の最新情報を一元的に管理・共有
  • 基礎・構造・木工事完了・竣工など各現場作業者、協力施工業者管理者、工事監理者が、工事現場においてチェックポイントを検査し、施工管理記録書によって検査管理を実施。さらに、検査・管理状況を本部検査部門がチェック
施工管理

施工管理

アフターサポート

  • 住宅の引渡し後、無料で定期点検を実施。10年目以降は、維持保全計画書に基づく有料メンテナンス工事を実施し、建物保証を延長することで、無料の定期点検を最大60年目まで継続。大切な住まいを長持ちさせるため、60年間にわたってサポート(ご契約時期・内容によって異なる場合があります)
  • リフォームを含むメンテナンス提案、メンテナンス履歴管理などを通じてお客様をサポートする「60年メンテナンスプログラム」を構築
定期点検

定期点検

リフォーム

  • 耐震補強などに使用するオリジナル部材は筑波研究所で性能や信頼性を検証。さらに、一般財団法人日本建築防災協会の技術評価を取得することで、「耐震改修」を促進

耐震住宅

阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震、2024年1月1日に発生した能登半島地震をはじめ各地で大きな地震が発生し、甚大な被害をもたらしました。また、南海トラフでの大地震も予測されるなど木造住宅の耐震化への需要は年々増してきています。

お客様の耐震化へのニーズにお応えするために、住友林業ホームテックでは、既存の床と天井を撤去処分せずに設置できるなど、高強度・高施工性があり、また、建物の断熱性能などの諸性能を損なわずに耐震化ができるオリジナル工法を開発しています。

「K型筋かい」「ハイパーパネル」の開発

「K型筋かい(筋かいパネル)」本耐力壁は、厚み24mmの構造用合板を用い、厚み75mmのグラスウール断熱材を納めることが可能です。軽量であるため施工性も良く、本工法は、一般財団法人日本建築防災協会の技術評価を取得しています(標準タイプの壁基準耐力6.0KN/m2)。

「ハイパーパネル」は、既存の床と天井を撤去処分せずにその間の石膏ボードだけ撤去することで撤去作業を減らし、ハイパーハードT(吉野石膏株式会社)という高強度ボードを3等分して貼ることにより、1枚のボード貼りよりも施工性を向上させています。ボードを 3等分して貼ることで、ボードが割れずに粘り強さも発揮します。本工法も、一般財団法人日本建築防災協会の技術評価を取得しています(標準タイプの壁基準耐力6.9KN/m2)。

今後は、建物が大地震を受けたときにできる限り損傷を軽減させる、新しい耐震・制震工法を開発する予定です。

筋かいパネル

筋かいパネル

ハイパーパネル

ハイパーパネル

BF(ビッグフレーム)構法

住友林業では、2005年に3階建て商品として「BF(ビッグフレーム)構法」の販売を開始し、2008年には2階建て商品、2015年に4階建てが可能な耐火仕様商品を展開しています。その後、お客様の災害などに対する意識向上から、さらに進化を遂げて高い耐震性を強みとしてきたBF構法が顧客ニーズとマッチし、今では住友林業の主力商品となっています。

木質梁勝ちラーメン構造

高層ビルにも用いられるラーメン構造を、木造住宅において日本で初めて木質梁勝ちラーメン構造として実現したのが、住友林業オリジナルのBF構法です。

ラーメン構造は、柱と梁を強固に一体化する剛接合により、地震や暴風といった水平力に抵抗する構造です。BF構法では一般的な105mm角の柱の約5本分に相当する560mm幅の大断面の集成柱「ビッグコラム」と、接合部を金物で緊結した「メタルタッチ接合」の組み合わせにより、堅固なラーメン構造を実現しています。

メタルタッチ接合

ビッグコラムや梁にねじ形状の特殊なボルトを埋め込み、これとビッグコラム・梁・基礎の専用金物を緊結して、相互を強固に一体化します。この「メタルタッチ接合」によって、耐震性を確保しながら、大空間・大開口を両立することができます。

オリジナルの接合技術の応用・展開

BF構法は、オリジナルの接合技術を様々に応用・展開することで、さらに多様な設計条件への対応を可能とします。接合金物を2列にした「ツインボルトコラム」やビッグコラムを2本並べて配置した「ダブルビッグコラム」により制約の多い土地でも間取りの自由度が高まり、開放感が広がります。さらに、最大開口幅約7.1mまでの設計が可能な「プレストレストティンバー梁」により、複数台駐車可能なビルトインガレージや大空間のリビングの実現、併用住宅など、設計自由度が高まります。

実大振動実験による性能確認

住友林業では、実際の間取りを採用したBF構法の3階建て実大検証モデルを用いて振動実験を行いました。

この実験では、東日本大震災の最大加速度2,699galの揺れに耐え抜き、大地震への強さを実証しました。震度7クラスの東日本大震災を2回、阪神・淡路大震災を20回、計22回加振するという過酷な実験にもねばり強さを発揮。さらに、この後に強い余震が繰り返し発生することも想定し、震度4から6弱の加振を224回実施、合計246回もの厳しい加振の繰り返しにも、構造躯体の耐震性が維持され続けることを確認しています。

このように、BF構法は安心感をもたらす強靱な構造と、広々とした気持ちのよい空間を可能にする自由度の高い設計で、お客様の多様なニーズにお応えします。

一般的な柱の5倍以上の幅をもつ強靱なビッグコラム

一般的な柱の5倍以上の幅をもつ強靱なビッグコラム

接合金物相互の「メタルタッチ接合」により堅固なラーメン構造を実現

接合金物相互の「メタルタッチ接合」により堅固なラーメン構造を実現

ユニバーサルデザインの推進

住友林業では、住む方の安全性を高めるための取り組みとして、業界に先駆けて引き戸や開き戸といった全ての室内建具にソフトクローザーを設置しています。また、居室やホールまわりの内壁出隅部、腰壁出隅部をR形状の仕様とするとともに、フロアに段差をつくらないオールフラット化を標準仕様にしています。将来的に車いすや介助が必要となる場合を想定し、介助用車いすが使用できる780mmの廊下幅を標準仕様とし、玄関へのスロープやホームエレベーターの設置など、自由設計によりお客様の要望に柔軟に対応しています。

日常的に手を触れることの多い玄関・階段・トイレの手すりについては抗ウィルス仕様を採用し、調理スペースに近い、キッチン前の笠木は抗菌仕様とするなど、適材適所でウィルスや菌の対策も行っています。

また、住友林業ならではの木質内装と間接照明による眠りに適した室内環境で睡眠改善効果をもたらす快適な寝室空間など、様々なお客様のニーズにお応えできるような住まいのデザインにも力を入れています。

施工管理

木の間接照明による睡眠改善効果と疲労軽減効果。
2016年度キッズデザイン賞受賞(調査・研究、リサーチ部門)

住宅事業本部の1級建築士

住宅事業本部には884名の1級建築士が在籍しており(2023年4月1日時点)、同事業本部総人員の21.0%を占めています。これは住宅メーカーの中でもトップクラスの比率であり、「住友林業の家」の高い施工品質を実現しています。

サプライチェーンの適正な管理

住宅事業本部では、「住友林業の家」の施工品質の維持・向上のため、サプライチェーンの適切な管理に努めています。サプライヤーとの適切な取引を継続するため、部材別の「工場監査」と「サプライヤー評価」を最大限に活用しています。

工場監査

工場監査の目的は、購入する部材において、生産工程の把握、品質管理状況、原材料の調達状況等を確認することです。

「品質に関する監査プログラム&実施計画」に基づき、全国133か所のサプライヤーの工場を対象に、関係者からのヒアリングや現地工場での目視等により実態を把握しています。また、工場監査の際に改善事項等があれば、是正処置を求めています。

サプライヤー評価

サプライヤー評価では、工場監査結果、財務状況、品質管理状況、納期、コスト、BCP対策などを含め、総合的に評価します。メーカー・商品が住友林業として求める水準にあるか否かを確認し、結果をフィードバックすることで適正化を図ります。

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