自然あふれる富士山2合目の「まなびの森」フォレストアークから
四季折々のようすやボランティア活動についてお伝えします。
みなさん是非「まなびの森」へ足をお運びください。
お待ちしております。
富士山「まなびの森」フォレストアーク副館長・管理人
沢田明宏
3月後半から暖かい日が続き、遅れていたマメザクラも4月10日過ぎに咲きはじめました。少し恥ずかしそうに下向きに咲くマメザクラは富士箱根のフォッサマグナ地域特有のサクラで、地元ではフジザクラの愛称もあります。開花から10日ほど過ぎると満開に近くなり、ほかの草花も次々と咲き競います。
クスノキの仲間のアブラチャンが黄色い花をつけ、カエデの仲間も花を咲かせています。林床ではフデリンドウやセントウソウ、タニギキョウ、トウゴクサバノオなどなど。春の森は花盛りとなっています。
寄生植物のヤマウツボもあちこちで花を咲かせています。海にいる獰猛な魚のウツボからつけられた訳ではありません。昔の騎馬武者が矢を入れておく道具である靭(うつぼ)から来た名前です。
暖かな陽に誘われるようにアズマヒキガエルのメスがオスを背負って産卵場所に向かっています。水場が限られている富士山麓でカエルが産卵する場所を探すのは大変でしょう。
木の根元に木屑がいっぱい散乱しているので見上げると幹の一部が枯れていて、そこをキツツキが潜んでいる虫を探したのでしょう。大小の穴が沢山開いていました。
春のキノコの代表選手はやはりアミガサタケ。特に、ヨーロッパではモレル、モリーユなどと呼ばれ優良食菌として有名です。和名は編み笠状の頭の形から来ています。森で見つけたのはキノコの頭部がボール状になったアミガサタケの仲間で、その名もマルアミガサタケ。「名は体を表す」そのものです。
まるで枯れ枝にお菓子のグミを乗せたようなキノコも見つかります。キクラゲの仲間のタマキクラゲです。こちらも形そのままの名前です。
春の森は見どころ満点、まさに百花繚乱です。
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4月10日過ぎにマメザクラがようやく開花
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富士山とマメザクラが美しさを競い合っています
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アブラチャンの花
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アズマヒキガエルのメスがオスを背負って産卵に向かっています
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ヌタ場の水溜まり ヤマアカガエルのオタマジャクシがウヨウヨいる中にアズマヒキガエルのチューブ状の卵塊もある
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蕾の様子が「筆」の穂先のようなフデリンドウ
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フデリンドウが陽を浴びて花弁を開かせました
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小さな花を沢山つけるセントウソウは野に咲く線香花火のようです
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寄生植物のヤマウツボが沢山咲いています 魚のウツボではなく、騎馬武者が矢を入れておく道具である「靭(うつぼ)」から命名
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白いケマルバスミレの群落 名前は、毛の生えた丸い葉のスミレ
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木の根元に沢山の木屑が散乱しています
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見上げるとキツツキが餌となる虫を探して、幹の枯れた部分に沢山の穴が開いていました
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アミガサタケの仲間で形が丸いボール状、マルアミガサタケ
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枯れ枝にグミ? いえいえ、これはキクラゲの仲間で、その名もタマキクラゲ
今年は暖かだった2月から3月に入ると季節が逆戻りしたような寒さが続きました。
とは言え、3月半ばになるとミツマタが開花し、10日あまりすると満開になりました。毎年のことですが、ミツマタが満開になるとその辺り一面が甘い薫りに包まれて、陽だまりがとても春らしくなります。
キバナノアマナやコガネネコノメソウ、ユリワサビ、フデリンドウといった春を代表する草花も次々と咲き競い、ドンドンと春らしくなっていきます。
その中で、おもしろい場面を目撃しました。バイケイソウの新芽が林床のあちこちで芽吹いていますが、1ヶ所直径30㎝ほどの円状に15~16本の新芽がでていました。まるで、円陣を組んでバイケイソウが「エイ、エイ、オー!」と気合いを入れているように見えて微笑ましかったです。
2月が暖かだったので「サクラの開花は3月中旬か」とニュースなどで報じられていましたが、寒い3月のせいでかなり遅れました。マメザクラの開花も同様に遅れ気味で、3月終わりにようやく富士山スカイラインの標高500mあたりまで上がってきました。マメザクラ前線が「まなびの森」に到達するのは4月10日ごろでしょうか。
3月19日に「企画懇談会」を開催しました。まなびの森の「フォレストアーク」にステークホルダーの皆さんにお集りいただき、前年の活動報告と各調査報告、そして今年の活動計画を発表し、「まなびの森」のこれからの活動を話し合う場です。
今年も「まなびの森」での活動を安全・円滑に運営していく上で、いただいた貴重なご意見を活かしていきたいと考えております。
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ミツマタが開花しました
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2週間するとミツマタは満開に、あたり一面甘い薫りに包まれます
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キハダの根際がシカに齧られ、まさに「黄肌」を現わしている
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キバナノアマナ
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コガネネコノメソウ
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ユリワサビ
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フデリンドウ
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バイケイソウの新芽が円陣を組んで作戦会議(?)
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プヨプヨした色鮮やかなコガネニカワタケはキクラゲの仲間
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「企画懇談会」の冒頭でご挨拶いただいた静岡大の増澤先生
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関係ステークホルダーの方々を含めて17名が参加
この冬はどちらかと言えば暖冬傾向にあります。2月に入って「まなびの森」でも春が到来したかと思うほど暖かな日もありました。しかし、1年で一番寒いと言われる2月だけに、降雪も何度かあり綺麗な雪化粧と雪の上に残された動物の足跡痕跡を見せてくれました。
そんな積雪がとけ始めたある日、朝は青空だったのが昼すぎに一転して霰交じりの雪が再び降り始めました。アッと言う間に10㎝ほど積もり、辺り一面が真っ白になりました。
1月と2月は「日本野鳥の会」南富士支部の皆さんによる鳥獣生息調査の冬鳥の調査が行われます。冬鳥の代表種の1つであるアトリが、今年は「まなびの森」で良く見られます。時には大きな群れで現れ、その数が100羽を超えることもあります。アトリは大きさ16㎝とスズメ(14.5㎝)より少し大きい鳥で、胸から脇がくすんだ橙色をしています。
2024年も早2ヶ月が過ぎようとしています。麓の里ではジンチョウゲの花が咲いて春の薫りを辺りに漂わせています。「まなびの森」のミツマタも固い蕾が少しずつ膨らんでもうすぐ開花するでしょう。
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この冬一番の積雪に見舞われ、「長老シナノキ」とその周辺が真っ白に
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「海の見えるケヤキ」のあたりもスッカリ雪化粧しました
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積もった雪がかなり溶け始めた矢先、降り始めた霰模様の雪でフォレストアーク周辺はあっと言う間に10㎝ほど積もりました
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風の強い朝、雪煙が舞い上がっている富士山
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アトリの群れ
※この写真は他の場所で撮影したものを野鳥の会の方のご厚意で掲載しています