自然あふれる富士山2合目の「まなびの森」フォレストアークから
四季折々のようすやボランティア活動についてお伝えします。
みなさん是非「まなびの森」へ足をお運びください。
お待ちしております。
富士山「まなびの森」フォレストアーク副館長・管理人
沢田明宏
■4月管理人日記
麓の木々が新緑の葉で覆われる頃、「まなびの森」にも少し後れた春が訪れます。満開のマメザクラやツツジ、林道沿いには可憐なタチツボスミレ、セイヨウタンポポなど等。また、森の木々も一斉に芽吹き薄緑色の小さな葉をつけ出し、なかでもアブラチャンやコブシ、キブシが開花し、索漠としていた森の風情も一段と明るさを増してきました。
新年度最初のボランティア活動では、三菱電機グループの皆さん80余名がヘキサチューブとポールの回収作業に参加してくれました。活動場所が遠いために野外での昼食となりましたが天候に恵まれ幸いでした。
また、27日には市内の小学生100余名が、「まなびの森」を利用して環境教育を行いました。爽やかな早春のなかで、自然と触れ合いながら森の大切さも感じたようでした。
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ミズナラ:芽吹いたばかりで葉の形も分からない。樹皮が厚く山火事にも強い。
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タチツボスミレ:春を告げる代表的な野草。淡紫色だが変異も多い。
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三菱電機グループ育林ボランティアの皆さん。
■3月管理人日記
春のおとずれも早いと思われましたが、3月に入り寒さがぶり返し雪のちらつく日もありました。しかし、季節の移りは確実に進んでいるようで、林内ではバイケイソウが例年通り顔を出し始めました。ミツマタは開花し、木々の蕾も一段と大きく膨らみ芽吹きも間近のようです。また、繁殖期を控え小鳥たちの動きも活発になり、キツツキのドラミング(繁殖期に嘴で木を叩く)も頻繁に聞かれます。
14日には、「まなびの森」の運営主体となる第21回 企画懇談会が開かれました。前年度の活動報告をはじめ、鳥獣調査・植生調査の報告、今後の方針など各委員の皆さまより貴重なご意見を頂きました。とりわけ、鳥獣調査・植生調査では、森が再生されていく過程で色々な変化が見られることなど、「まなびの森」での研究調査の蓄積が報告されました。
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ミツマタの花:枝が三又状に出ることが由来。優良な和紙原料。
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バイケイソウ:山地の林内や湿った草原などに生える多年草。有毒で鹿も食べない。
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キツツキの巣穴:深さは30cm程とのこと。この中からアカゲラが出てきた。
■2月管理人日記
暖冬傾向で乾燥した気候が続いていましたが、2月に入り幾分冷え込みが強まり上旬、中旬、下旬と周期的に積雪を観測しました。気温は低く朝晩の冷え込みも残りますが、日中の日差しは春のように暖かく雪も一気に溶け「蕗の薹」が早くも顔を出しています。また、コブシの軟毛も柔らかくのび、木々の芽も日増しに膨らみはじめ、ミツマタなどは開花間近のようです。「まなびの森」に春の兆しが感じられる今日この頃です。
現在、皆さんに回収して頂いたヘキサチューブとポールの片付けや新たな活動に向けた準備を進めています。こらからも皆様のご協力を宜しくお願いします。
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雪のフォレストアーク
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蕗の薹:苞に包まれた若い花茎、ほろ苦い早春の味
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回収ヘキサチューブとポール