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樹木としてのニレ
エルムの名前でも親しまれるニレは、世界四大街路樹のひとつ。樹高が30m、胸高直径が1.2mほどにまで成長する木です。中でも北海道の地で樹冠を大きく広げるハルニレは、鮮やかな新緑と見事な紅葉が特徴。葉は互い違いに付いており、左右非対称の倒卵形・倒卵楕円形で、先は鋭く尖った形をしています。厳しい寒さの土地で育つため強度に優れており、テーブル天板などの家具や彫刻に使われています。また、割れにくいという特徴を活かし、太鼓の胴の部分の材料や彫刻の材料などにも用いられます。

※ニレは、原産国以外でも生育に適した地域で植林されている場合があります。
部材としてのニレ
ニレは、自然の造形が織りなす豊かなコントラストが魅力。
その気品ある佇まいは、空間に心地よいリズムと落ち着きをもたらします。
また、しっとりと肌に馴染む質感は、家族の暮らしに深く寄り添います。

明瞭な木目は、厳しい寒さが生み出した天然のコントラスト。ベージュホワイトの色が広い面積を占め、空間を明るくします。

適度に粗い木目は手触りがやわらかくしっとりとしています。また、挽板フロアは気持ちよい足触りが特徴です。
上質な家具の材料など
として使われる、国産のニレ。
空間と調和しながら
自然の風合いを醸し出し、
明るい彩りを与えてくれます。
国内有数の家具産地、北海道・旭川でつくられた椅子やテーブル。北海道産のニレが使用されており、ニレ特有の鮮明な木目や質感が楽しめます。強度も優れており、長く使うことができる家具です。

写真提供:カンディハウス
存在感のあるはっきりとした木目や、
変化に富んだ豊かな表情がニレの魅力。
空間を洗練された明るさで満たし、
住まいに温もりと心地よさを創出します。
世界四大街路樹のひとつとして、
街や公園を彩っているニレ。
身近でありながら、実はあまり知られていない
奥深い魅力や驚くべき特性について、
紹介します。
国産材は寒冷地に強い北海道産のハルニレが中心ですが、他にもユニークな種類が存在します。例えば「アキニレ」は葉が小さく毛がないため盆栽として好まれ、盆栽界では“ニレケヤキ”の名で呼ばれます。また、葉の形が魚のオヒョウに似ていることから名付けられたとされる「オヒョウニレ」など、それぞれに個性豊かな魅力を持っています。

ハルニレは、春の若葉が開く前の3〜5月頃に黄緑色の小さな花を咲かせます。高い場所で咲くためあまり目立ちませんが、その大きく雄大な樹形にちなんで「威厳」という花言葉が付けられています。花の後には、翼を持った1.5cmほどの扁平な団扇(うちわ)形の果実をたくさん実らせます。実るのが早いため野鳥が集まるのは稀ですが、風に乗って種を蒔き、命を繋いでいきます。

太鼓の胴やまな板、木工品など幅広く利用されるニレですが、実は「空気に触れない水中のような環境では驚くほど腐りにくい」という特長を持っています。ヨーロッパでは古くから水道管として活用され、ロンドンでは丸太をくり抜いた300年前の水道管が完全な形で掘り出されたほど。旧ワーテルロー橋の杭も、120年後に橋を架け直す際まで腐らずに残っていました。日本でも、その特性から舟材として重宝されてきた歴史があります。

※「ニレの雑学」に使用されている画像はイメージです。