YAMAZAKURA


YAMAZAKURA Story

呼称
ヤマザクラ
バラ科

樹木としてのヤマザクラ

日本の桜を
代表する天然種。

バラ科サクラ属の落葉高木であるヤマザクラは、関東以西の本州から四国、九州にかけて広く分布する、日本を代表する野生のサクラです。樹高は最大で30mにも達し、吉野山の「千本桜」を彩る主役として知られるなど、古来より日本人に親しまれてきました。木材としての性質は、サクラ材の中でも特に堅牢で密度が高く、水分や汚れが浸透しにくい優れた耐久性を備えているのが大きな特徴です。その強靭な資質から、かつては浮世絵の版木や高級家具の素材として重宝されてきました。磨き上げるほどに気品ある光沢を放つ緻密な木肌は、現代においても上質な空間を演出する銘木として、今なお深く愛され続けています。

代表的なサクラの種類

YAMAZAKURA
学名:Prunus jamasakura
日本の山野に自生するサクラ。緻密な木肌と光沢が美しく、使い込むほどに深い飴色へと変化します。
OYAMAZAKURA
学名:Prunus sargentii
北海道や本州北部の高地に多く分布。ヤマザクラよりも花や葉が大きく、別名「ベニヤマザクラ」とも呼ばれます。

ヤマザクラの生育域

ヤマザクラの生育域

※ヤマザクラは、原産国以外でも生育に適した地域で植林されている場合があります。

部材としてのヤマザクラ

優美な品を纏う、
ヤマザクラ。

ヤマザクラは、やさしい木目と凜とした木肌が特徴。
淡い桃色を含んだ特有の美しさは、空間に華やかな気品を漂わせます。
住むほどに変化し、深まっていく色合いも魅力の一つです。

無加工

無加工

ほんのりピンク色と控えめな木目が特徴。歳月を重ねると、色の風合いが増し、落ち着いた雰囲気を演出します。

114 フラット J

114 フラット J

挽板フロアは、赤みの強い赤褐色が特徴。凛とした木肌が空間に気品を与え、住む人の心を魅了します。


Use Case

伝統を今に受け継ぐ、
ヤマザクラ。

古くから職人に愛され、伝統技術とともに
ヤマザクラの価値は受け継がれてきました。
和菓子の木型や器、新幹線の
ロールブラインドなど、さまざまな場所で
樹種の個性が活かされています。

サクラを使った
緻密な和菓子の木型。

江戸時代、和菓子に文様などをかたどるための菓子木型が生まれ、そのほとんどの素材がサクラでした。サクラは材質が緻密でなめらかなため、細かい模様が彫りやすく和菓子づくりには最適。今でも、落雁の木型にはサクラが使われています。

菓子木型

菓子木型
撮影協力:HIGASHIYA

自然の模様が食卓を飾る、
サクラの器。

豊かな森林に囲まれた神奈川県の小田原市で、古くから続く木工の伝統を継承している薗部産業。その「めいぼく椀」には、サクラが使用されています。ほんのりと赤みを帯びた色味、きめ細かく緻密な木肌が魅力。また、小枝が多いため渦のような木目やツートン模様が出やすく、美しく個性的な逸品です。

めいぼく椀

めいぼく椀
写真提供:薗部産業

旅の景色をやさしく彩る、
ロールブラインド。

日本古来の職人技と最先端技術が融合した21世紀を代表する列車「800系 新幹線」。その客室で、美しい旅情を演出しているのが、九州山地のヤマザクラを用いた木製ロールブラインドです。窓から差し込む陽光をやさしく和らげ、車内をやわらかな光で包み込みます。

JR九州 800系新幹線 ロールブラインド

JR九州 800系新幹線 ロールブラインド


YAMAZAKURA Space

艶やかな趣と過ごす。

なめらかな木肌に描き出される、
落ち着きのある木目。
そして、ヤマザクラ特有の艶やかな光沢に
包まれる、心地よい空間を叶えます。

床材:ヤマザクラ
  • 床材:ヤマザクラ


Topics of YAMAZAKURA

日本人の感性に
寄り添う美しさ。

歌人から現代の職人まで、
人々の感性を豊かに彩ってきたヤマザクラ。
日本人の美を形づくる上で
欠かせないヤマザクラの、
数々の雑学を紹介していきます。

桜によって生まれる浮世絵。

大胆な構図に、鮮やかな色彩。ゴッホやモネなど印象派の画家に大きな影響を与えたと言われる浮世絵は、職人の高度な技術が生み出した日本独自の木版画です。浮世絵の制作の工程では、まず、絵師が人物や風景などを描き、彫師が図柄を彫って版木をつくります。そして刷師が版木を使い、和紙に色を刷り重ねて完成させます。その版木の素材として使用されているのが桜です。浮世絵の髪の毛などの繊細な線は、1ミリ以下の幅で彫られます。材質の堅い桜は刃の通りがよく、角が崩れないので優美な線をきれいに表現することができます。

桜によって生まれる浮世絵。

樹皮が織りなす伝統工芸。

ヤマザクラの樹皮を木地の表面に貼り付けた木工品である樺細工。現在は秋田県でのみ生産されている伝統技術です。樹皮特有の光沢を活かした渋い色合いが特徴で、製品に合わせて「型もの」「木地もの」「たたみもの」という3種類の技法が使い分けられています。茶筒やお盆、ペンダントなどの素材となる桜の樹皮は、天然素材ならではの美しい色合いと独特の質感を持ち、作品に唯一無二の風合いを与えています。

樹皮が織りなす伝統工芸。

古くから親しまれてきた国花。

日本のサクラといえば、現代でこそソメイヨシノが有名ですが、ヤマザクラは古来、日本の花見文化において主流の存在でした。万葉集や古今和歌集など数多くの和歌にその美しさが詠まれており、かつて「吉野の桜」と呼ばれたのも本種を指しています。まさに日本における花見の原風景といえる存在です。日本を代表する自生種として、京都の嵐山や奈良の吉野山など各地に名所があり、現在は菊と共に日本の国花として親しまれています。

古くから親しまれてきた国花。

日本各地に広がる
多彩な個性。

ヤマザクラは非常に多くの変種や園芸品種が存在するのが特徴。野生種では北海道に多いオオヤマザクラや、九州に分布する大輪のツクシヤマザクラなどが知られています。また、園芸品種としても「ウスゲヤマザクラ」や「木の葉桜」、「紅南殿」、「兼六園熊谷」といった多様な種類があり、各地の気候や環境に合わせて豊かな表情で春を彩っています。

日本各地に広がる多彩な個性。

※「ヤマザクラの雑学」に使用されている画像はイメージです。

その他の樹種

ASH<アッシュ>

アッシュ

OAK<オーク>

オーク

TEAK<チーク>

チーク

CHERRY<チェリー>

チェリー

WALNUT<ウォルナット>

ウォルナット

JAPANESE OAK<ナラ>

ナラ

MAHOGANY<マホガニー>

マホガニー

JAPANESE ELM<ニレ>

ニレ

JAPANESE WALNUT<クルミ>

クルミ

TAMO<タモ>

タモ

JAPANESE CYPRESS<ヒノキ>

ヒノキ

JAPANESE CEDAR<スギ>

スギ