まなびの森通信

まなびの森通信

自然あふれる富士山2合目の「まなびの森」フォレストアークから
四季折々のようすやボランティア活動についてお伝えします。
みなさん是非「まなびの森」へ足をお運びください。
お待ちしております。
富士山「まなびの森」フォレストアーク副館長・管理人
沢田明宏

【第174回】冬枯れの中でも豊かな自然がみられます

2019年12月27日

■12月管理人日記

 「まなびの森」はすっかり冬枯れのようすとなってきました。常緑のヒノキやウラジロモミといった針葉樹を除く広葉樹はほとんど葉を落としました。その中で、林床には夏落葉樹であるオニシバリが濃い緑の葉をつけ、落葉で明るくなった林内でセッセと光合成をしています。ブナやイタヤカエデが葉を落として見通しがよくなった樹上では常緑のツルマサキやヤドリギの姿が目に見えるようになりました。ツルマサキは赤い実が良く目立ち、餌が少なくなったこの時季の森の中で小鳥たちの数少ない食糧庫の役目を果たしているようです。また、カエデの仲間のチドリノキは枯れ葉が枝にそのまま残っています。夏から秋にかけて枝先についているチドリノキの種の付き方が群れ飛ぶチドリを連想させることが名前の由来だと図鑑などに載っていますが、冬に枝先に残っている枯れ葉が風に揺れる様子も群れ飛ぶチドリに見立てることもできるなぁと思います。
 12月中旬、地元の「野鳥の会」会員の方が小鳥の水浴び場とエサ台を自作されたものを設置していただきました。警戒心の強い森の小鳥たちは安全なのかどうかまだ様子見をしているようで近づいてきませんが、春になればきっと彼らの格好の遊び場兼食堂になるのではないかと今から楽しみにしています。フォレストアークにお越しの際はぜひソーっと覗いてみてください。

  • 冬も青々と葉を付けているツルマサキ

  • ツルマサキが沢山の赤い実をつけている

  • ヒメシャラの枝にとまったイカル このあとヒメシャラの冬芽を啄んでいました

  • 枯れ葉がたくさん残っているチドリノキ

  • 5㎝以上になった霜柱

  • 「野鳥の会」の方に設置していただいたエサ台と水浴び場

【第173回】本格的な冬となってきました

2019年11月30日

■11月管理人日記

 11月に入ると気温はドンドン下がり、日中でも一桁の6~7℃と言う日も多く真冬と言った様相になってきました。雪虫と通称されるワタアブラムシの仲間(北海道のトドノネオオワタムシが有名)がフワフワと飛び交い、「まなびの森」辺りの初雪も近いのかも知れません。体長5㎜ほどの小さなこの虫は躰から分泌した糸状のロウ分があり、まるで綿毛で覆われているように見えます。
 11月10日過ぎには紅葉も綺麗にみられるようになりました。イロハカエデ、ヒナウチワカエデ、ミズキなどの赤、イタヤカエデ、ケヤキなどの黄色、ミズナラ、ヒメシャラの茶色と様々な色が森を彩っています。
 9月の終わりに苔むした倒木に丸い卵のようなもの(スッポンタケ?の幼生)が発生しましたが、なかなかキノコになりませんでした。寒さで成長が遅くなり、この卵の状態まま萎んでしまうかと思っていると、ついに姿を現しました。やはりスッポンタケでした。残念ながら、成長したキノコをタイムリーに写真に収めることはできませんでした。卵の中でギュッと小さく折りたたまれた状態の子実体は胞子が成熟した時点で殻を破ってニョキニュキと数時間で生えてくる様子はとてもダイナミックで本当に面白いです。子実体の先端部の傘表面に黒緑色の粘液状の胞子があり、これがウンチのような臭いを発しています。その臭いにハエなどが誘われ、足に粘り気がある胞子を付けて飛んでいくと言うユニークな方法で子孫を増やしています。
 11月14日に今年最後の小学生招待の自然体験教室がありました。これで、「まなびの森」の外部向け行事は一応終了です。紅葉のあとほとんどの樹々が葉を落とした森は冬籠りの準備がほぼ整ったようですが、フォレストアークも事実上の冬籠り間近と言うことになります。11月29日朝、ついにフォレストアークがこの冬初めての薄っすらと雪化粧していました。

  • 田貫湖から見た綺麗な逆さ富士

  • 体長5㎜ほどのワタアブラムシの仲間(雪虫)

  • 色とりどりの紅葉

  • 赤く色づいたヒナウチワカエデ

  • 美しいミズナラの紅葉

  • 2ヶ月近く掛かって姿を現したスッポンタケ

  • この冬初めて薄っすら雪化粧したフォレストアーク(11/29)

【第172回】初冬

2019年10月30日

■10月管理人日記

 10月も中旬をすぎると「まなびの森」は早い冬の訪れをヒシヒシと感じるようになりました。昼間の気温が11~12℃と正に冬の気温となっています。遅れていた富士山の初冠雪の便りも10月22日に発表されました。
 10月後半は台風や大雨が続きました。今回の台風と記録的大雨により日本各地で被害に遭われた方々が少しでも早く日常の生活を取り戻せることを切に願ってやみません。
 ここ「まなびの森」では幸い大きな被害には遭わずに済みましたが、強風でイトマキイタヤカエデが一本ネジ折れました。そして、その2週間後には完全に倒れました。樹齢100年ほどの樹木が台風で突然死を迎えたことになります。
 何年も前に倒れ苔むした木にツキヨタケが沢山発生しているのをみつけました。見つけた時はもうキノコが若くなかったので残念ながら光る様子は確認できませんでした。ツキヨタケはヒラタケやシイタケに似ているため良く誤食されますが、れっきとした毒キノコです。軸を縦に切ると根元部分に黒っぽいシミがあるのが一番わかりやすい見分け方です。ナメコの親戚にあたるヌメリスギタケの仲間がテラテラと粘り気のある傘を広げていたりしています。雨上がりに見るキノコ達やコケ達は殊更に生気が漲っているように思えます。
 10月末には「まなびの森」のすぐ隣の「静岡県立富士山麓山の村」の閉所式が執り行われました。31年運営を続けてこられ「まなびの森」とも長くご近所でしたが、諸般の難しい事情から閉鎖が決まり来年春からは解体・撤去工事が始まるそうです。数少ないお隣さんがいなくなるのはとても寂しい限りです。
 だんだんと「まなびの森」の樹々が葉を落とし始めたので、フォレストアークや森の中が明るくなってきました。冬がすぐそこに来ているのをヒシヒシと感じます。

  • 初冠雪から数日後の富士山(裾野市で)

  • 台風で折れたイトマキイタヤカエデ

  • 2週間後には完全に倒れました。

  • ツキヨタケ(毒)が苔むした倒木に沢山発生していました

  • ヌメリスギタケの仲間も別の倒木に沢山発生しました。

  • 先月は鮮やかなオレンジ色だったマスタケが固く、脆く、白くなっています

  • 秋の花代表、リンドウ

  • 31年の幕を閉じるお隣の「山の村」

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