自然あふれる富士山2合目の「まなびの森」フォレストアークから
四季折々のようすやボランティア活動についてお伝えします。
みなさん是非「まなびの森」へ足をお運びください。
お待ちしております。
富士山「まなびの森」フォレストアーク副館長・管理人
沢田明宏
■1月管理人日記
大晦日に降った雪が残ったものの、穏やかな年の始まりとなりました。例年、この時期は南岸低気圧の通過に伴い大雪が…しかし、今年は晴天が続き富士山の雪も溶け出し岩肌が露出しています。降雪が少ないとは言え標高1,000メートルを超す「まなびの森」は、厳しい冷え込みが続いています。一方、ひっそりと静まりかえった林内では、日脚の伸びに合わせて冬芽を膨らませ始めている木々も観られます。春の芽吹きに備える自然界の営みには驚かされます。
初めての訪問者は、お馴染の「鹿」、そして「猪」が…ウリ坊を引き連れ凄い勢いで走り去りました。(猪突猛進)
今月は、天然林内に設置した「鹿柵」の破れ、弛みなどの修復。昨年から引き続いての林道整備を進めました。これからも新年度に向けた準備を予定しています。
-
「まなびの森」林道:大晦日の積雪が残る。
-
コブシ:冬芽は長卵形で有毛。
-
ミツマタ:多くの花芽が纏まり春を待っている。
■12月管理人日記
凍てつく枯れススキの白い穂が、より一層寒さを感じさせます。中旬には「まなびの森」も積雪(2cm程)を記録…霊峰富士は中腹まで雪で覆われました。一方、葉を落とし閑散とした林内では、球状に葉を広げたヤドリギが不思議な光景を見せています。また、寒さに耐えるかの様に膨らんだ小鳥たちも餌を啄ばんでいます。「フクラ雀」の形容がピッタリです。静寂さに包まれ、風の音だけが聞える「まなびの森」です。
一連のボランティア活動が終わった今月は、林道の修復・補強作業を進めています。土のうを積み上げ路肩の崩れ防止、砕石を敷き林道の整備も始めています。来年も皆さんのご協力を宜しくお願いします。
-
「まなびの森」から見た富士山:中腹まで雪化粧。
-
枯れススキ:凍てつき光輝く白穂が寒さを感じさせる
-
「まなびの森」の初雪:積雪2cmほど(12/16撮影)
■11月管理人日記
冷え込みも強まり氷点下の朝も。また、日中は汗ばむ程のポカポカ陽気の日もあり体調管理が大変です。一方、赤や黄色で華やかだった山麓も、すっかり葉を落とし露わになった樹幹が寒々しさを感じさせます。静けさをまし寂しげな林内からは、駿河湾や遠方の山々も展望できます。既に「まなびの森」は冬仕度が整ったようです。
今月は、三和土(たたき)修復工事をボランティアの皆さんと行いました。左官屋さんの指導のもと、「土、石灰、ニガリ」を混ぜた土を練る。土を平らにならし踏み固める。専用の道具で土をたたき固める。の作業をして頂きました。近年、三和土を設える住宅は皆無と言われています。参加者は、初めてで貴重な体験ができたと興奮気味に話していました。
-
葉を落とした木々:露わな樹幹が寂しさを漂わせる。
-
練り作業:土、石灰、ニガリを混ぜ練る。皆さん興味津々。
-
敲き作業:専用の棒で敲く。平らにならず悪戦苦闘。