自然あふれる富士山2合目の「まなびの森」フォレストアークから
四季折々のようすやボランティア活動についてお伝えします。
みなさん是非「まなびの森」へ足をお運びください。
お待ちしております。
富士山「まなびの森」フォレストアーク副館長・管理人
沢田明宏
■3月管理人日記
暖かさを感じられた気候も、3月に入ると寒の戻りで雪模様の日もあり、桜も例年より遅い開花宣言となりました。「まなびの森」の膨らみ始めた冬芽も戸惑いの感が…。しかし、季節の移ろいは確実に進んでいるようで、林内ではバイケイソウが顔を出し、ミツマタも開花してきました。桜(フジザクラ)の開花はもう少し先のようです。
今月は、「まなびの森」の運営主体となる企画懇談会が開かれ、前年度の活動報告や20周年記念活動の報告がされました。委員の皆さんから「長きにわたる鳥獣生息・植生調査の結果は貴重な資料」と称賛を頂きました。
私事になりますが、8年間の管理人生活を終わります。皆様の御支援、御協力に感謝申し上げ、次期管理人の沢田さんへバトンタッチします。
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企画懇談会:飯塚室長の挨拶。20周年の報告とお礼も…。
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ミツマタ:枝が三又状にでることが名の由来。「まなびの森」で最も早く開花する。
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沢田 明宏です。4月から「まなびの森」管理人を務めます。宜しくお願いします。
■2月管理人日記
例年この時期、大雪に見舞われる富士山麓ですが、今年は降雪が少なく富士山も岩肌を露わにしています。中腹には早くも農鳥(春を告げる風物詩で農作業を始める時期の目安とされ、例年4月から5月に現れる鳥の形をした残雪)が現れました。一方、暖かな陽気に「まなびの森」ではフキノトウが顔を出し、木々の冬芽も大きく膨らんできました。小鳥たちの動きも活発になり、朝夕は盛んに餌を啄んでいます。また、駿河湾からの暖かい上昇気流による山麓特有の霧も発生しはじめ、春の兆しが感じられるこの頃です。
今月も、三和土(タタキ)修復に伴う養生管理(湿気を保ちビニールシートで覆う)。新年度に向け林道整備(砂利を入れ均す、分水路の変更など)を進めています。
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雪の少ない富士山:取り分け南側(静岡県)が少ない。
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アカゲラ:キツツキ科で木の幹に穴を開け長い舌で中の虫を食べる。頭部が赤いのは雄。
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フキノトウ:雌雄異株の多年草。春の山菜として人気。咳止めなどの民間薬にも利用。
■1月管理人日記
大晦日に降った雪が残ったものの、穏やかな年の始まりとなりました。例年、この時期は南岸低気圧の通過に伴い大雪が…しかし、今年は晴天が続き富士山の雪も溶け出し岩肌が露出しています。降雪が少ないとは言え標高1,000メートルを超す「まなびの森」は、厳しい冷え込みが続いています。一方、ひっそりと静まりかえった林内では、日脚の伸びに合わせて冬芽を膨らませ始めている木々も観られます。春の芽吹きに備える自然界の営みには驚かされます。
初めての訪問者は、お馴染の「鹿」、そして「猪」が…ウリ坊を引き連れ凄い勢いで走り去りました。(猪突猛進)
今月は、天然林内に設置した「鹿柵」の破れ、弛みなどの修復。昨年から引き続いての林道整備を進めました。これからも新年度に向けた準備を予定しています。
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「まなびの森」林道:大晦日の積雪が残る。
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コブシ:冬芽は長卵形で有毛。
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ミツマタ:多くの花芽が纏まり春を待っている。