まなびの森通信

まなびの森通信

自然あふれる富士山2合目の「まなびの森」フォレストアークから
四季折々のようすやボランティア活動についてお伝えします。
みなさん是非「まなびの森」へ足をお運びください。
お待ちしております。
富士山「まなびの森」フォレストアーク副館長・管理人
沢田明宏

【第13回】「まなびの森」自然体験学習開催

2006年 6月 9日

■5月管理人日記

  ゴールデンウィークがあけるとすぐに梅雨入りになってしまった様な日が連日つづきました。5月晴れが忘れられた様で、季節の動きに異常が生じたようです。しかし木々の芽吹きは例年と同じようで、自然の力強さが感じられます。

 5月18日には地元富士宮市の富士根北中学校1年生33名が来所され、自然体験学習が開催されました。「まなびの森」として初めての試みでしたが、非常に好評を得て、今後の自然体験学習活動につながる一日となりました。また、5月20日には朝日カルチャースクールご一行様25名が来所され、自然観察の体験学習をされました。

 下旬には例年と同じように、ヤマシャクヤクの花が咲き始めました。

■初めての富士山「まなびの森」自然体験学習開催

  5月18日(木)小雨の中、「まなびの森」として初めてとなる自然体験学習が行われました。記念すべき第一号となる生徒さんは、静岡県富士宮市立富士根北中学校の1年生33名です。

 当日は、ホールアース自然学校指導員による、木片のサンプルと葉を使った「まなびの森」に生育する8種類の木の特徴についてゲーム形式での学習や、自分のお気に入りの森の中の「緑色」と42種類の緑色分類表との照合、バードコール(※)作りを通じての「まなびの森」にすむ鳥や動物達との共存ルール学習など、ユニークで楽しいプログラムで満載でした。

 また、自然林散策では、直径1センチほどの黒褐色の球状物(ウサギの糞)に個性あふれた反応をみせたり、森の奥にある木の大きな根株の空洞に入り生命力の強さにふれたり、自然体験学習の名の通り、教室を森に移し自然を先生に、たくさんのことを楽しく学ばれている様子でした。

 自然体験学習の記念として、男子は「コブシ」の木を、女子は姫にちなんで「姫紗羅(ひめしゃら)」の木を植樹しました。自然林で見た大きな木になるには、かなりの年月を要しますが、10年後または20年後に今日の記念樹がどのくらい大きく成長したか見に来てもらいたいです。

※バードコール: 木片と金属の摩擦音で鳥の鳴き声を作り出して、鳥を呼び寄せるものです。

  • マムシグサ。名前の由来は、茎の紫褐色のまだら模様を「マムシ」に見立てた

  • 開きかけたヤマシャクヤクの花

  • 孵化したアズマヒキガエルのオタマジャクシ

  • 大きな空洞。生きている木のお腹の中に入りました。

  • 42種類の緑分類表から自分の好きな森の緑を探す生徒さん達

  • 森の散策で見つけた黒い球状物。ウサギの糞でした。

【第12回】がんばれ一年生!新入社員研修

2006年 5月24日

■4月管理人日記

 4月に入っても相変わらず寒暖の差が激しく、例年に比べて少し季節の進み具合が遅いようです。しかし、フジザクラは昨年より1日遅れで開花、アズマヒキガエルも例年通り出現し、4月中旬頃には繁殖と産卵をはじめました。また、バイケイソウも芽を出しはじめました。新しい年度が始まり、4日と6日には、過去最高となる251名の新入社員を迎えて研修が実施されました。幸い雨も降らず、各自、志を新たにしているようでした。

■がんばれ一年生!! 新入社員研修

 今年も4月4日・6日の2日間にわたり、富士山「まなびの森」にて新入社員研修が行われました。天気はあいにくの曇り空でしたが、富士の澄んだ空気とすばらしい景色を前に、気持ちが自然に高まっていくのを感じました。

 午前中はヒノキの苗木植林を行いました。なれない鍬で土を掘り起こし、その穴にヒノキの苗をゆっくり、丁寧に植えていきます。今年は全部で300本。一本一本にみんなの気持ちがこもっています。
 昼食をはさんで午後はヘキサチューブ直しです。幼い苗には野生動物からの被害を防ぐためにチューブが被せてあります(これをヘキサチューブといいます)。壊れたチューブを新しいチューブに取り替え、倒れたチューブはひもでしっかりと結びなおします。苗が植えてある場所は、身の丈ほどの高さの雑草が生い茂っているまさに「道なき道」。分け入って作業をする皆の顔は真剣そのものです。作業が終わるころには全員汗だくになっていましたが、首に巻いたタオルで額の汗を拭う姿はどこか誇らしげに見えました。

 何十年か先、新入社員たちが植えたヒノキがきっとこの富士の森の一部を作っていってくれることでしょう。このヒノキのように、新入社員一同もいつか住友林業の一部を形作っていきたい、そう決意を新たにした一日でした。

  • 和紙の原料とされるミツマタの花

  • 芽を出したバイケイソウ

  • 繁殖中のアズマヒキガエル

  • キブシの花

  • アブラチャンの花。昔は実と樹皮を灯火(とうか)に使いました。

  • 力仕事ならまかせろ!

  • みんなで協力してヘキサチューブを集めます。

  • 富士山と一緒にハイ、チ~ズ!

【第11回】「まなびの森」企画懇談会開催

2006年 4月24日

■3月管理人日記

 3月は季節の変わり目らしく、天候が目まぐるしく変化しました。「春の嵐」、「初夏の様な陽気」、そして「雪」と自然の力に圧倒された一ヶ月でした。
  3月11日には「まなびの森」の運営の基本となる企画懇談会が開催されました。今後の運営について、各委員のみなさんより貴重なご意見をいただきました。また、今月に入って「フォレストアーク」施設充実の一環として、太陽光採光システム「ひまわり」、風力発電装置、展示コーナーがそれぞれ設置されました。今後の来場者の皆さんに注目していただけると思います。

■フォレストアークの環境配慮設備がますます充実!

 フォレストアークは、太陽光発電、雨水利用、バイオトイレなど、さまざまな環境配慮設備を備えています。昨秋のペレットストーブに続いて、3月には、太陽光採光システム「ひまわり」、ハイブリッド(太陽光・風力)発電ポール、植林・育林道具の展示棚、まなびの森紹介パネルなどを設置しました。
◇太陽光採光システム「ひまわり」
 フォレストアークの屋根に設置したドームの中のレンズで太陽光を集め、光ファイバーで伝送して、室内を明るく照らします。自然の光を利用した照明装置ですので、朝には朝日の色、夕方には夕日の色に室内が照らされます。太陽光発電を動力にして、レンズが常に太陽に対して正面を向くように動くため、「ひまわり」と呼んでいます。曇りや雨の日は、残念ながら、お楽しみいただけません。
◇ハイブリッド(太陽光・風力)発電ポール
 フォレストアーク内の設備を充実させるため、今まで以上の電力が必要になりました。そこで、従来から屋根の上にあった太陽光発電パネルを増やすとともに、太陽光発電と風力発電がひとつになったポールを屋外に設置しました。
◇パソコン・プロジェクター・スクリーン
 フォレストアークで環境教育を行おうとする方々が自由にお使いいただけるパソコンを設置しました。CD?Rなどでデータを持ち込むだけで、パワーポイントを使ったプレゼンテーションができます。
◇植林・育林道具の展示棚
 「まなびの森」自然林復元活動で、実際に植林や育林に使っている道具を展示して、いつでも皆さんに見ていただけるようにしました。展示棚を作った部材は、全て国産材を使い、国内林業の活性化による森林保全を呼びかけています。
1. スーパー檜:国産ヒノキの集成材です。「住友林業の家」の柱にも使われています。
2. きづれパネル:国産のスギなどを格子状に組んだパネルです。「住友林業の家」の壁下地にも使われて、耐震性や通気性を高めています。
3. スギ合板:国産のスギを使うことによって国内の森林を活性化させるとともに、海外の貴重な森林資源を保護します。
◇「まなびの森」紹介パネル
 「まなびの森」を紹介するパネルをリニューアルしました。「まなびの森」のこれまでやこれからの歩み、森づくりの方針などがわかります。また、それぞれ環境配慮設備にも、説明版を設置しました。

  • これからは富士山も雪帽子を少しずつ脱いでいきます

  • 頭を出したバイケイソウの芽

  • 「まなびの森」から望む駿河湾

  • 太陽光採光システム「ひまわり」

  • 「まなびの森」紹介パネル

  • 充実した環境教育用機器

  • ハイブリッド(太陽光・風力)発電ポール

  • きづれパネルを用いた植林・育林道具の展示棚

  • スギ合板を用いた植林・育林道具の展示棚

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