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国土交通省が発表した
最新の地価動向
「令和5年 都道府県地価調査結果」

公開日:2023.11.01

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国土交通省が発表した最新の地価動向「令和5年 都道府県地価調査結果」

令和5年9月20日に国土交通省から「令和5年 都道府県地価調査結果」が公表されました。 この「都道府県地価調査」は、各都道府県が調査した7月1日時点での土地の正常価格を国土交通省が集計して全国の土地価格の状況として公表しているものです。
毎年この時期に集計・発表され、国土交通省が実施する地価公示(毎年1月1日時点の調査)と併せて、土地の取引や売買などの際の基準となり、適正な地価の算定に役立てられています。

今回のコラムでは、公表された調査結果から基準地価の動向を整理してみます。

調査の対象地点と地価の動向

「今回の「都道府県地価調査結果」は、全国の21,381点の土地が調査対象で、そのうち宅地 が20,947地点でした。

次の表は、三大都市圏と地方圏の用途別の平均価格を令和4年と令和5年で比較したもの です。

圏別・用途別平均価格表

(単位別:円/㎡)

用途別

圏域別
住宅地 商業地 工業地
令和4年 令和5年 令和4年 令和5年 令和4年 令和5年
東京圏 217,600 225,500
(103.6)
1,346,900 1,407,900
(104.5)
115,000 122,400
(106.4)
大阪圏 143,200 145,500
(101.6)
766,600 821,300
(107.1)
107,700 110,600
(102.7)
名古屋圏 109,000 113,200
(103.9)
460,300 482,900
(104.9)
59,900 61,400
(102.5)
地方圏 33,000 33,700
(102.1)
106,400 110,800
(104.1)
21,300 22,000
(103.3)
                          

( )内は対前年変動率(%)


住宅地、商業地、工業地の平均価格はともに、全圏域で前年よりも高くなっています。
次の表は、令和元年から令和5年までの三大都市圏と地方圏の用途別の地価の変動率の推移です。


地価調査対前年変動率の推移表

(変動率:%)

調査年

用途等
令和元年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年
全用途
三大都市圏 2.1 0.0 0.1 1.4 2.7
東京圏 2.2 0.1 0.2 1.5 3.1
大阪圏 1.9 0.0 ▲0.3 0.7 1.8
名古屋圏 1.9 ▲0.8 0.5 1.8 2.6
地方圏 ▲0.3 ▲0.8 ▲0.6 ▲0.2 0.3
地方四市 6.8 4.5 4.4 6.7 8.1
その他 ▲ 0.5 ▲ 1.0 ▲0.8 ▲0.4 0.0
全国平均 0.4 ▲ 0.6 ▲0.4 0.3 1.0
住宅地
三大都市圏 0.9 ▲ 0.3 0.0 1.0 2.2
東京圏 1.1 ▲0.2 0.1 1.2 2.6
大阪圏 0.3 ▲0.4 ▲0.3 0.4 1.1
名古屋圏 1.0 ▲0.7 0.3 1.6 2.2
地方圏 ▲0.5 ▲0.9 ▲0.7 ▲0.2 0.1
地方四市 4.9 3.6 4.2 6.6 7.5
その他 ▲ 0.7 ▲ 1.0 ▲0.8 ▲0.5 ▲0.2
全国平均 ▲0.1 ▲0.7 ▲0.5 0.1 0.7
商業地
三大都市圏 5.2 0.7 0.1 1.9 4.0
東京圏 4.9 1.0 0.1 2.0 4.3
大阪圏 6.8 1.2 ▲0.6 1.5 3.6
名古屋圏 3.8 ▲1.1 1.0 2.3 3.4
地方圏 0.3 ▲0.6 ▲0.7 ▲0.1 0.5
地方四市 10.3 6.1 4.6 6.9 9.0
その他 ▲ 0.2 ▲ 1.0 ▲1.0 ▲0.5 0.1
全国平均 1.7 ▲0.3 ▲0.5 0.5 1.5

地価の上昇の回復傾向は全国的に進んでいます。

令和5年(令和4年7月以降の1年間の地価動向)の全国平均は、全用途・住宅地・商業地のいずれも2年連続で上昇、上昇率も拡大しています。

住宅地の全国平均は、令和3年まで下落基調が続いていましたが、令和4年は0.1%で上昇に転じ、令和5年は0.7%でさらに上昇幅が拡大しました。

商業地の全国平均は、令和2年が▲0.3%、令和3年が▲0.5%で、2年連続で下落基調が続いていましたが、令和4年は0.5%で3年ぶりに上昇に転じ、令和5年は1.5%でさらに上昇幅が拡大しています。

三大都市圏の全用途平均は平成25年以降7年連続上昇で、令和2年は横ばいとなりましたが、令和3年以降は3年連続の上昇となっています。

三大都市圏の住宅地は、令和2年に平成25年以来7年ぶりの下落に転じましたが、令和3年は横ばい、令和4年は1.0%の上昇、令和5年は2.2%でさらに上昇幅が拡大しています。

三大都市圏の商業地は上昇が継続中で、令和5年は4.0%で、上昇幅も拡大しました。

東京圏の全用途平均は11年連続で上昇、大阪圏は2年連続で上昇、名古屋圏は3年連続で上昇、上昇幅も拡大しています。

地方圏は、全用途平均、住宅地が31年ぶりに、商業地が4年ぶりに上昇に転じました。

住宅地の地価の平均変動率

令和4年7月以降の1年間の住宅地は、都市中心部や生活利便性に優れた場所での住宅需要が堅調で、地価の上昇が継続しています。
テレワークの浸透といった生活スタイルの変化により、住宅のニーズが多様化などで、郊外部にも地価の上昇範囲が拡大しています。

住宅地の圏域別地価の動向

・令和5年の東京圏の平均変動率は3.4%で、3年連続で上昇、上昇率も拡大しました。 半年ごとの平均変動率は、前半が1.5%の上昇、後半は1.9%の上昇でした。

・令和5年の大阪圏の平均変動率は1.8%で、2年連続で上昇しています。半年ごとの地価変動率は、前半が0.7%の上昇、後半は1.1%の上昇でした。

・令和5年の名古屋圏の平均変動率は3.0%で3年連続の上昇、上昇率も拡大しました。半年ごとの平均変動率は、前半が1.4%の上昇、後半は1.6%の上昇でした。

・令和5年の地方圏全体の平均変動率は2.1%の上昇で前年の下落から上昇に転じました。半年毎の住宅地の平均変動率は、前半が1.0%の上昇、後半は1.1%の上昇でした。

地方圏の住宅地のうち地方四市(札幌市・仙台市・広島市・福岡市)は、地価の上昇率が拡大しています。
住宅地の平均変動率は 6.6%で11 年連続で上昇、上昇率も拡大しています。
半年毎の住宅地の平均変動率は、前半が3.3%の上昇、後半は3.1%の上昇でした。
地方四市を除く住宅地は人口減少などで住宅需要が減退しており、令和5年は▲0.2%の下落ですが、下落幅は縮小しています。

次の表は、令和3年から令和5年までの全用途で見た、上昇・横ばい・下落の調査地点数とその割合です。


全用途の上昇地点の上昇・横ばい・下落の調査地点数とその割合

(単位:地点)

※ 上段は調査地点の数  下段は上昇・横ばい・下落の各割合
全用途
上昇 横ばい 下落
全国 令和5年 9,241
(44.7%)
3,082
(14.9%)
8,355
(40.4%)
令和4年 7,700
(37.2%)
3,637
(17.5%)
9,387
(45.3%)
令和3年 4,665
(22.5%)
4,865
(23.5%)
11,216
(54.1%)
三大都市圏 令和5年 4,739
(80.8%)
524
(8.9%)
604
(10.3%)
令和4年 4,019
(68.2%)
962
(16.3%)
909
(15.4%)
令和3年 1,965
(33.5%)
2,027
(34.5%)
1,878
(32.0%)
地方圏 令和5年 4,502
(30.4%)
2,558
(17.3%)
7,751
(52.3%)
令和4年 3,681
(24.8%)
2,675
(18.0%)
8,478
(57.2%)
令和3年 2,700
(18.2%)
2,838
(19.1%)
9,338
(62.8%)

まとめ:マイホーム購入をプランニングする中で参考に

今回のコラムは、最新の地価動向の情報提供ということで、最新の「都道府県地価調査結果」を整理・紹介させていただきました。

マイホーム購入をプランニングする中で参考にしていただけますと幸いです。

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