戸建住宅

コラム

「2020年地価公示」から見た地価の動向と傾向

公示価格とは、国土交通省が毎年1月1日を評価基準日として3月下旬に公示している価格で、都市とその周辺に標準地を選び、1地点につき2人の不動産鑑定士が別々の調査をする方法で評価した土地の価格です。

最新の取引事情や収益性なども加味されていますので、国内の公的な土地評価の基準と言われ、土地の売買の基準となる重要な価格です。
今回のコラムでは、2020年3月18日に国土交通省が発表した「2020年地価公示」より全国の地価動向と傾向を見てみます。
※( )内は「2019年地価公示」の数値です。

発表された「2020年地価公示」の地価動向(地価の変動率)の全国平均は、2019年1月以降1年間で全用途平均が1.4%(1.2%)、用途別では、住宅地が0.8%(0.6%)、商業地が3.1%(2.8%)、工業地が1.8%(1.3%)で、全用途平均が5年連続で上昇、上昇率も4年連続で拡大し上昇基調を強めています。
用途別では、住宅地・商業地・工業地のいずれについても上昇基調が強まっています。住宅地は3年連続、商業地は5年連続、工業地は4年連続での上昇です。

東京・名古屋・大阪の三大都市圏の変動率は、全用途平均、住宅地、商業地、工業地のいずれについても上昇が継続、東京圏と大阪圏は上昇基調が強くなっています。

地方圏は、全用途平均と住宅地は2年連続で上昇、商業地と工業地は3年連続で上昇、いずれも上昇基調を強めています。

その中で、札幌市・仙台市・広島市・福岡市の地方四市は、全ての用途が上昇で、上昇調が強まっています。

地方四市を除くその他の地域は、全用途地と商業地が1992年以来28年ぶりに上昇、住宅地は1996年から続いた下落が横ばいに、工業地は2年連続で上昇しました。

上昇地点数の割合は、全国平均では、住宅地の44%、商業地の59%が上昇、三大都市圏では住宅地の54%、商業地の84%が上昇しました。
地方圏は住宅地、商業地ともに上昇地点及び横ばい地点は増加していますが、依然として住宅地は47%、商業地は42%の地点が下落となっています。
この傾向を、半年毎の地価動向の都道府県地価調査(7月1日調査)と同じ調査地点でみます。全国平均の住宅地は前半、後半ともに0.8%の上昇、商業地は前半が2.3%、後半が2.5%の上昇でした。
三大都市圏の住宅地は前半、後半ともに0.7%の上昇、商業地は前半が3.2%、後半が3.3%の上昇でした。
地方圏の住宅地は前半が0.8%、後半が0.9%の上昇、商業地は前半が1.3%、後半が1.5%の上昇でした。

住宅地は、全国的に雇用・所得環境が改善が続く中、低金利環境の継続や住宅取得支援施策等による需要の下支え効果もあって、交通の利便性や住環境の優れた地域を中心に需要が堅調で、全国的に住宅地の地価の回復が進展しています。

商業地は、景気回復、良好な資金調達環境の下での企業による人材確保などを目的とするオフィスビルへの需要が堅調で、空室率の低下・賃料の上昇傾向が継続しています。
また、外国人観光客など、国内外からの訪問客の増加などによる店舗、ホテル需要の高まりや、インフラ整備や再開発事業等の進展による利便性・繁華性の向上を背景に、主要都市での店舗・ホテルの進出が旺盛になっています。

それでは、住宅地と商業地の地価動向を地域別に少し詳しくみてみましょう。

1.住宅地の地域別地価動向

  • 東京圏の平均変動率は7年連続で上昇(1.4%) 、上昇幅も5年連続で拡大しています。半年毎の地価動向は、前半が0.9%、後半が0.8%の上昇でした。
    主要都市はいずれも上昇、さいたま市2.2%、千葉市1.3%、東京23区全体4.6%、横浜市1.1%、川崎市1.6%、相模原市1.4%でした。
  • 大阪圏の平均変動率は3年連続の上昇(0.4%)で、上昇幅も2年連続で拡大しています。半年毎の地価動向は、前半が0.4%、後半も0.4%の上昇でした。
    主要都市はいずれも上昇しており、京都市が1.8%、大阪市が1.2%、堺市が2.1%、神戸市が0.5%、奈良市が0.4%でした。
  • 名古屋圏の平均変動率は7年連続して上昇(1.1%)しましたが、上昇幅は昨年よりも縮小しました。
    半年毎の地価動向は、前半が0.7%、後半が0.9%の上昇でした。
    主要都市では、名古屋市が2.0%の上昇、四日市市は0.1%の上昇でした。
  • 地方圏の住宅地の平均変動率は0.5%で2年連続の上昇、上昇幅も拡大しています。
    半年ごとの地価の動向は、前半が0.8%、後半が0.9%の上昇でした。
    次の地方四市はいずれも上昇しました。
    札幌市が7.1%、仙台市が5.7%、広島市が3.1%、福岡市が6.8%でした。
    その他の市町村では、北海道小樽市が0.9%、北海道北広島市が5.5%、岩手県北上市が0.5%、秋田県秋田市が0.2%、茨城県神栖市が0.2%、長野県伊那郡南箕輪村が0.3%の上昇でした。

2.商業地の地価動向

東京圏、大阪圏、名古屋圏の各圏域は、いずれも7年連続で上昇、上昇幅は東京圏と大阪圏は昨年より拡大しましたが、名古屋圏は昨年よりも縮小しました。

地方圏の平均変動率は1.5%で3年連続上昇しました。
全国の半年ごとの地価動向は、前半が1.3%、後半が1.5%の上昇でした。
札幌、仙台、広島、福岡の地方四市の平均変動率は11.3%で7年連続上昇、上昇幅も前年より拡大、三大都市圏の平均を大きく上回っています。

今回のコラムは、最新の地価動向を国土交通省の発表をもとにお伝えしました。

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