このコラムをご覧の皆様の中には、結婚、出産を機に住宅購入を考えるご夫婦も多いのではないでしょうか。
結婚しても働き続ける女性が増えるなか、出産前後に一時的に収入が減ったり、保育園に子どもを預けることでの時短勤務など、出産というライフイベントは少なからず家計に影響を与えます。
今回は、そのような出産・育児に関わるテーマの中から「育児休業給付金」についてお伝えします。
公開日:2024.09.10
このコラムをご覧の皆様の中には、結婚、出産を機に住宅購入を考えるご夫婦も多いのではないでしょうか。
結婚しても働き続ける女性が増えるなか、出産前後に一時的に収入が減ったり、保育園に子どもを預けることでの時短勤務など、出産というライフイベントは少なからず家計に影響を与えます。
今回は、そのような出産・育児に関わるテーマの中から「育児休業給付金」についてお伝えします。
産休後に育児休業を取得する場合、その育児休業期間中の勤務先からの給与は一般的には支給停止になりますが、その間、生活を支えてくれるのが「育児休業給付金」です。
「育児休業給付金」は育児休業の期間中、休業前の賃金に応じた額の給付金を受け取ることができる雇用保険制度の一部にあたる制度で、育休手当と呼ばれます。
育児休業給付金は雇用保険制度の一部にあたるため、申請をするためには、以下のような基本的な条件を満たす必要があります。
また、これらの制度上の規定とは別に、雇用主との間の労使協定などで「入社から1年以上」などの条件が設定されている場合があります。
派遣社員やパートとして働いている方でも、雇用保険に加入していれば受給できます。
育児休業給付金の給付申請ができる人は、子どもが生まれてから1歳になるまでの間に育児休業を取得する人です。
父親と母親の両方が育児休業を取得する場合は、「パパ・ママ育休プラス」で1歳2カ月まで期間を延長することができます。
また、子どもが保育所に入れない場合などは、例外的に1歳6カ月に達するまで期間を延長することができます。
2017年10月1日からは、1歳6カ月以後も保育所に入れない場合は、勤務先に申し出ることで、最長2歳まで取得できるようになりました。
育児休業給付の給付額は次の通りです。
休業開始時賃金日額は、税金や社会保険が引かれる前のいわゆる「額面」の賃金です。
正確な金額はハローワークに提出する「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」により確定します。
また、育児休業期間中に賃金が支払われていると給付金は減額される場合があります。
育児休業の期間中は、公的年金や健康保険、雇用保険の保険料の支払いが免除されます。
原則収入がないので、この間の所得税は実質ゼロ円になります。
育児休業の期間中は年金や健康保険の保険料の支払いが免除されますが、勤務先の健康保険制度、国の公的年金には継続して加入している扱いになります。
下の図表は、厚生労働省が提供している「育児休業給付金が引き上げられました!!」リーフレットからの引用です。
出典 : 厚生労働省「育児休業給付金が引き上げられました!!」
上の図の通り、現在の育児休業給付は、育児休業開始から6か月までは賃金の67%が支給され、税金や社会保険料がかからないため、支給割合は手取りで育児休業前の8割相当になります。
なお、2025年4月1日より育児休業給付金の給付率が引き上げられ、要件を満たせば当初1か月間のみ手取りで育児休業前の10割相当になる予定です。
今回のテーマは住宅取得と出産・育児に関わる「育児休業給付金」でした。
住宅取得の資金計画には、子育て、資産運用、セカンドライフなどのライフプランを想定した家計収支の青写真を家計キャッシュフロー表でイメージしてみることが大切です。