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マイホームを夫婦共有名義
にするときは
持分割合
に注意しましょう

公開日:2011.08.22

  • 夫婦共有名義
  • 住宅ローン
マイホームを夫婦共有名義にするときは持分割合に注意しましょう

マイホームの購入にあたっては、夫婦がお互いに資金を出し合う場合があります。

その場合は、マイホームを夫婦の共有名義にして、実際の資金の負担割合と同じ割合で持分を決め、「共有登記」をすることが原則です。

夫婦のどちらかが購入資金を全額負担した場合でも、持分を半分ずつにすることは登記上可能ですが、住宅の購入資金の負担割合と異なる割合で持分を登記すると、夫婦間の贈与とみなされて贈与税の対象となることがあります。

今回のコラムでは、マイホームを夫婦共有名義にするときの持分割合の注意点について、架空の事例を用いてお伝えいたします。

持分計算の事例

持分計算の事例を具体的に見てみましょう。

ここでは、住宅の購入価格3,800万円、そのうち頭金を1,000万円、残りの2,800万円は住宅ローンを利用する場合を例にします。

また、諸費用として、別途200万円がかかるものとします。

負担金額の状況

  • 住宅ローンの借入額はご主人が2,100万円、奥様が700万円です。
  • 自己資金は、ご主人が自分名義の預貯金から諸費用200万円と頭金500万円を出して、奥様が自分名義の預貯金から頭金500万円を出しました。

夫婦それぞれの負担金額の合計

  • ご主人・・・諸費用200万円+頭金500万円+住宅ローン2,100万円=2,800万円
  • 奥様・・・・頭金500万円+住宅ローン700万円=1,200万円

夫婦それぞれの持分の割合

  • ご主人・・・2,800万円÷4,000万円=10分の7 (70%)
  • 奥様・・・・1,200万円÷4,000万円=10分の3 (30%)

持分割合の注意点

この例で諸費用200万円を含めた住宅取得費の4,000万円を、ご主人が2,800万円、奥様が1,200万円という負担で購入する場合、ご主人の持分は10分の7、奥様の持分は10分の3にするのが正しい共有登記です。

ところが、これを2分の1ずつ(金額換算で2,000万円ずつの持分)で登記すると、奥様は1,200万円しか負担していないのに、2,000万円分の不動産を取得したことになり、逆にご主人は2,800万円を負担するのに、2,000万円分しか不動産を取得していないことになります。

この場合、ご主人から奥様へ800万円分の不動産が贈与されたとみなされ、年間110万円の基礎控除を超える部分に贈与税がかかります。

配偶者控除の特例

夫婦間で居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、贈与税の基礎控除枠の110万円のほかに最高2,000万円まで控除(配偶者控除)できる「夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除」という特例を利用できる可能性があります。

この特例を受けるための要件は以下の通りです。

  1. 夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと。
  2. 配偶者から贈与された財産が、居住用不動産であること。または居住用不動産を取得するための金銭であること。
  3. 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した居住用不動産または贈与を受けた金銭で取得した居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること。

※「居住用不動産」とは、専ら居住の用に供する土地もしくは土地の上に存する権利または家屋で国内にあるものをいいます。

※配偶者控除は同じ配偶者からの贈与については一生に一度しか適用を受けることができません。

まとめ:持分割合は売買契約の前にしっかり検討

今回のコラムは、マイホームを夫婦共有名義にするときの持分割合の注意点についてお伝えいたしました。

住宅の売買契約の締結が終わりマイホームの登記をした後、「思わぬかたちで贈与税を支払わなければならなくなった」ということがないように、持分割合は売買契約の前にしっかり検討しておくことが大切です。

また、贈与税には所定の要件を満たすと、最高2,000万円まで控除できる配偶者控除の特例があることも覚えておきましょう。

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