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家づくりのお金のはなし
自己資金の準備・
諸費用

03自己資金の準備

財形住宅融資の活用方法

財形貯蓄とは

財形貯蓄には、「財形住宅貯蓄」「一般財形貯蓄」「財形年金貯蓄」の3種類があり、いずれの財形貯蓄も、給与から天引きで積み立てる貯蓄で、財形貯蓄制度がある企業で満55歳未満の社員のみが利用できます。自動的に積み立てされるため、計画的に貯蓄することができます。なお、財形住宅貯蓄は、住宅取得目的で引き出す場合、貯蓄残高550万円までは、利子などに税金がかかりません。

財形住宅融資の特徴

財形住宅融資は、住宅金融支援機構の融資制度で、財形貯蓄をしている人が利用できる住宅ローンです。いずれの財形貯蓄も、1年以上継続して加入し、財形貯蓄残高が50万円以上などの条件を満たすと、財形住宅融資が受けられます。

新築住宅を建設する場合は、住宅部分の床面積が70㎡以上280㎡以下の住宅で、機構の定める技術基準に適合する住宅であることなどが融資を受けるための条件となります。その他、新築住宅を購入する場合や中古住宅を購入する場合も利用できますが、土地のみを購入する場合は利用できません。

通常の住宅ローンでは、事務手数料や保証料がかかりますが、財形住宅融資ではかかりません。

その他、主な特徴は以下の通りです。

金利タイプ 5年固定金利
5年経過後は、そのときの金利が適用され、次の5年間の返済額を再計算する
融資限度額 財形貯蓄残高(財形住宅貯蓄+一般財形貯蓄+財形年金貯蓄)の10倍まで
(最高4,000万円)(住宅取得価額の90%が限度)
返済負担率 年収に対する年間返済額(他の借入金の返済も含む)の基準が設けられている
●年収400万円未満・・・30%以下
●年収400万円以上・・・35%以下

住宅金融支援機構が用意している財形住宅融資と同様の仕組みとして、勤労者退職金共済機構が用意している財形持家転貸融資があります。こちらは、財形持家転貸融資制度がある勤務先で財形貯蓄をしている人が利用できます。利用条件は財形住宅融資とほぼ同じですが、財形住宅融資のように返済負担率の基準は設けられていません。

財形住宅融資と【フラット35】の併用メリット

財形住宅融資は、【フラット35】や民間金融機関の住宅ローンと併用することが可能です。財形住宅融資は、5年固定金利のため、当初の金利は、全期間固定の【フラット35】より低いというメリットがありますが、その後、金利が上昇した場合には返済額がアップするというリスクがあるため、【フラット35】と併用することで、将来の金利上昇リスクを軽減することができます。

父母や祖父母から資金援助がある場合

住宅の購入計画にあたり、父母や祖父母から資金援助があると、借入金額を少なくし、返済負担を軽くできるメリットがあります。父母や祖父母からの資金援助の具体例として、以下の3つが考えられます。

父母や祖父母から贈与がある場合

父母や祖父母からの贈与でも、その額が1年間に110万円を超えると贈与税が課税されます。ただし、住宅取得等資金贈与の非課税制度を利用すると、2026年12月31日まで、非課税で贈与を受けることができます。この制度を適用すると、父母や祖父母から住宅取得資金の贈与を受けた場合、以下の金額まで非課税になります。

  • 省エネ・耐震住宅を取得:1,000万円
  • 省エネ・耐震住宅以外を取得:500万円

通常の年間贈与非課税枠110万円と合わせると、省エネ・耐震住宅の取得は1,110万円、省エネ・耐震住宅以外の取得は610万円まで非課税で贈与を受けられます。

住宅取得等資金贈与の非課税制度を受けるための主な要件は以下の通りです。

  • 直系尊属(父母や祖父母など)から18歳以上の子や孫への住宅取得資金の贈与であること
  • 床面積が40㎡以上240㎡以下であること
  • 贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であること
    (床面積が40㎡以上50㎡未満の場合は1,000万円以下であること)
  • 1階が店舗で2階が住宅などの併用住宅の場合は、住宅面積が2分の1以上であること

父母や祖父母などから子や孫への贈与累計額が2,500万円まで贈与税が非課税となる相続時精算課税制度との併用も可能です。なお、この制度を使って贈与された額は、相続時に相続税に加算されます。ただし、2024年1月からは、毎年110万円までは、相続税に加算されないことになりました。

父母や祖父母から借り入れる場合

父母や祖父母から住宅購入資金を借り入れると、金融機関から借り入れる場合に必要な様々な手数料がかからないというメリットがあります。ただし、税務上「贈与」とみなされないように契約書を作成し、金利も支払うことが大切です。父母や祖父母と子の預金口座間で返済履歴を残し、契約書通りに返済したことを証明できるようにしておくことが望ましいでしょう。

親と共有名義にする場合

親と共同で住宅を購入すると、親が支払った金額に応じて持分登記して、住宅を共有する形になります。ただし、実際に支払った金額と異なる割合で登記すると、負担した金額よりも少ない持分の人から多い持分の人への贈与とみなされ、贈与税の課税対象となるため注意が必要です。さらに、将来親が死亡して相続が発生した場合、親の持分を相続することになるため、相続税が発生する可能性がある上、兄弟姉妹がいる場合には、その持分をめぐって、トラブルになる可能性もあるため、共有名義にする場合は、家族で話し合うことが大切です。

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