住宅ローンをこれから組もうと考えた時に「もし住宅ローンの返済中に事故や病気で亡くなったり、働けなくなったりしたらどうしよう?」と心配になる方もいらっしゃるかもしれません。そうした不測の事態へ対応するために、団体信用生命保険という仕組みがあります。
今回は、団体信用生命保険の概要と日本人の死因の最新事情についてお伝えいたします。
公開日:2020.01.31
住宅ローンをこれから組もうと考えた時に「もし住宅ローンの返済中に事故や病気で亡くなったり、働けなくなったりしたらどうしよう?」と心配になる方もいらっしゃるかもしれません。そうした不測の事態へ対応するために、団体信用生命保険という仕組みがあります。
今回は、団体信用生命保険の概要と日本人の死因の最新事情についてお伝えいたします。
団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローンの借り入れをしている人が被保険者、貸している金融機関等が契約者となり、住宅ローン返済中に病気や不慮の事故などで死亡、または高度障害状態になるなどの事態が起こった際に、金融機関等が死亡保険金を受け取ることで、住宅ローンの借入金を完済する生命保険商品です。
住宅ローンを返済する負担を家族が引き継ぐことなく、大切なマイホームを守ることができます。
現在では、死亡または所定の高度障害になった場合以外でも保障される様々なタイプの団信が登場しており、幅広いリスクへ対応できるようになっています。
例えば、がん(悪性新生物)・心疾患・脳血管疾患の三大疾病に罹患し、所定の状態に該当した場合に保障対象となる三大疾病特約付団信やその三大疾病に加え、高血圧性疾患、糖尿病、腎疾患、肝疾患、慢性膵炎を含めた八大疾病特約付団信等がそれにあたります。
それでは、死亡の原因となる病気にはどのようなものが多いのでしょうか。
厚生労働省が公表した「人口動態統計」における日本人の死因について、令和5年と平成7年の結果を比べながら見てみます。
令和5年人口動態統計(確定数)の概況
順位 | 死因 | 死亡数(人) | 死亡総数に占める割合(%) |
---|---|---|---|
全死因 | 1,576,016 | 100.0 | |
第1位 | 悪性新生物<腫瘍> | 382,504 | 24.3 |
第2位 | 心疾患 | 231,148 | 14.7 |
第3位 | 老衰 | 189,919 | 12.1 |
第4位 | 腦血管疾患 | 104,533 | 6.6 |
第5位 | 肺炎 | 75,753 | 4.8 |
第6位 | 誤嚥性肺炎 | 60,190 | 3.8 |
第7位 | 不慮の事故 | 44,440 | 2.8 |
第8位 | 新型コロナウイルス感染症 | 38,086 | 2.4 |
第9位 | 腎不全 | 30,208 | 1.9 |
第10位 | アルツハイマー病 | 25,453 | 1.6 |
平成7年人口動態統計(確定数)の概況
順位 | 死因 | 死亡数(人) | 死亡総数に占める割合(%) |
---|---|---|---|
全死因 | 922,139 | 100.0 | |
第1位 | 悪性新生物 | 263,022 | 28.5 |
第2位 | 腦血管疾患 | 146,552 | 15.9 |
第3位 | 心疾患 | 139,206 | 15.1 |
第4位 | 肺炎 | 79,629 | 8.6 |
第5位 | 不慮の事故 | 45,323 | 4.9 |
第6位 | 老衰 | 21,493 | 2.3 |
第7位 | 自殺 | 21,420 | 2.3 |
第8位 | 肝疾患 | 17,018 | 1.8 |
第9位 | 腎不全 | 16,187 | 1.8 |
第10位 | 糖尿病 | 14,225 | 1.5 |
令和5年の統計では、日本人全体の死亡者の総数は157万6016人で、平成7年の92万2139人より約65万人増加しています。
死因の第1位は、どちらも「悪性新生物」で、令和5年の死亡数は約38.3万人、平成7年よりも約12万人増加しています。死亡総数に占める割合は24.3%です。第2位は「心疾患」、第3位は「老衰」、第4位は「脳血管疾患」、第5位が「肺炎」でした。
第2位は「心疾患」、第3位は「老衰」、第4位は「脳血管疾患」、第5位が「肺炎」で した。
「脳血管疾患」、「心疾患」、「肺炎」は変わらず上位ですが、平成7年の統計では第6位の「老衰」が第3位に、第10位以下の「誤嚥性肺炎」、「新型コロナウイルス感染症」、「アルツハイマー病」がそれぞれ第6位、第8位、第10位に入っています。
続いて男性の死因を見てみましょう。
令和5年人口動態統計(確定数)の概況
順位 | 死因 | 死亡数(人) | 死亡総数に占める割合(%) |
---|---|---|---|
全死因 | 802,536 | 100.0 | |
第1位 | 悪性新生物<腫瘍> | 221,360 | 27.6 |
第2位 | 心疾患 | 113,133 | 14.1 |
第3位 | 老衰 | 53,259 | 6.6 |
第4位 | 脳血管疾患 | 51,684 | 6.4 |
第5位 | 肺炎 | 43,554 | 5.4 |
第6位 | 誤嚥性肺炎 | 35,641 | 4.4 |
第7位 | 不慮の事故 | 25,544 | 3.2 |
第8位 | 新型コロナウイルス感染症 | 20,268 | 2.5 |
第9位 | 腎不全 | 15,980 | 2.0 |
第10位 | 間質性肺疾患 | 15,516 | 1.9 |
平成7年人口動態統計(確定数)の概況
順位 | 死因 | 死亡数(人) | 死亡総数に占める割合(%) |
---|---|---|---|
全死因 | 501,276 | 100.0 | |
第1位 | 悪性新生物 | 159,623 | 31.8 |
第2位 | 心疾患 | 69,718 | 13.9 |
第3位 | 腦血管疾患 | 69,587 | 13.9 |
第4位 | 肺炎 | 42,419 | 8.5 |
第5位 | 不慮の事故 | 28,229 | 5.6 |
第6位 | 自殺 | 14,231 | 2.8 |
第7位 | 肝疾患 | 11,576 | 2.3 |
第8位 | 慢性閉塞性肺疾患 | 9,452 | 1.9 |
第9位 | 腎不全 | 7,800 | 1.6 |
第10位 | 糖尿病 | 7,107 | 1.4 |
令和5年の統計では、男性の死亡者の総数は、80万2536人で、平成7年の統計よりも約30万人増加しています。
男性の死因の上位は、令和5年の統計も平成7年の統計と同じく、第1位は「悪性新生物」、第2位が「心疾患」です。
平成7年の統計では第10位以下の「老衰」が令和5年の統計では第3位に、「誤嚥性肺炎」が第6位に入っています
また、令和5年の総数の統計では第10位以内に入っていた「アルツハイマー病」は、男性の統計には入っていないという結果になっています。
最後に女性の死因を見てみます。
令和5年人口動態統計(確定数)の概況
順位 | 死因 | 死亡数(人) | 死亡総数に占める割合(%) |
---|---|---|---|
全死因 | 773,480 | 100.0 | |
第1位 | 悪性新生物<腫瘍> | 161,144 | 20.8 |
第2位 | 老衰 | 136,660 | 17.7 |
第3位 | 心疾患 | 118,015 | 15.3 |
第4位 | 脳血管疾患 | 52,849 | 6.8 |
第5位 | 肺炎 | 32,199 | 4.2 |
第6位 | 誤嚥性肺炎 | 24,549 | 3.2 |
第7位 | 不慮の事故 | 18,896 | 2.4 |
第8位 | 新型コロナウイルス感染症 | 17,818 | 2.3 |
第9位 | アルツハイマー病 | 16,804 | 2.2 |
第10位 | 血管性等の認知症 | 14,996 | 1.9 |
平成7年人口動態統計(確定数)の概況
順位 | 死因 | 死亡数(人) | 死亡総数に占める割合(%) |
---|---|---|---|
全死因 | 420,863 | 100.0 | |
第1位 | 悪性新生物 | 103,399 | 24.6 |
第2位 | 脳血管疾患 | 76,965 | 18.3 |
第3位 | 心疾患 | 69,488 | 16.5 |
第4位 | 肺炎 | 37,210 | 8.8 |
第5位 | 不慮の事故 | 17,094 | 4.1 |
第6位 | 老衰 | 14,809 | 3.5 |
第7位 | 腎不全 | 8,387 | 2.0 |
第8位 | 自殺 | 7,189 | 1.7 |
第9位 | 糖尿病 | 7,118 | 1.7 |
第10位 | 肝疾患 | 5,442 | 1.3 |
令和5年の統計では、女性の死亡者の総数は、77万3480人で、平成7年の統計よりも約35万人増加しています。
女性の死因の第1位は、令和5年の統計も平成7年の統計と同じく「悪性新生物」です。
「脳血管疾患」、「心疾患」、「肺炎」は変わらず上位ですが、平成7年の統計では第6位の「老衰」が第2位に、第10位以下の「誤嚥性肺炎」、「アルツハイマー病」、「血管性等の認知症」がそれぞれ第6位、第9位、第10位に入っています。
今回のテーマは、住宅ローンの団体信用生命保険と日本人の死因の最新事情でした。
住宅ローン返済中の死亡・高度障害等のリスクに備える団体信用生命保険は、マイホームの資金計画において大変重要なものです。マイホーム購入時には自身のため、家族のために、保障内容も含めて団体信用生命保険の加入をしっかりと検討しましょう。