住宅ローンは金額も大きく、返済期間も長いため、わずかな金利の差でも最終的な返済額に大きな影響を与えることがあります。住宅ローンを選ぶうえで、なるべく低い金利で住宅ローンを選びたいという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供している長期固定金利住宅ローン【フラット35】について、住宅ローン金利がどのようにして決まるのか、「10年国債利回り」との関係も含めてお伝えしていきます。
公開日:2016.03.31
住宅ローンは金額も大きく、返済期間も長いため、わずかな金利の差でも最終的な返済額に大きな影響を与えることがあります。住宅ローンを選ぶうえで、なるべく低い金利で住宅ローンを選びたいという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供している長期固定金利住宅ローン【フラット35】について、住宅ローン金利がどのようにして決まるのか、「10年国債利回り」との関係も含めてお伝えしていきます。
【フラット35】に代表される固定金利型の住宅ローンの金利は、「長期金利」の変動に影響されます。この「長期金利」は、債券の相場によって決まるのが特徴で、代表的な「長期金利」の指標は、国が発行する「10年国債の利回り」です。
10年国債とは、国が発行している10年満期の債券のことで、満期になると元本が返済されるほか、発行時に決められた利率で一定期間ごとに利子が支払われます。また、発行された後は、債券市場で国債を売買することができ、需要と供給に応じて価格が変動します。この価格変動によって、国債の利回りが変動します。
利回りとは、投資金額に対する収益の割合のことです。通常は1年間の「年利回り」のことをいい、単位はパーセントで表します。
例えば、100万円を投資して5万円の利益が得られる投資商品の場合、利回りは次のように計算できます。
前項で債券の価格は需要と供給に応じて変動するとお伝えしました。仮に債券の需要が高まり、債券価格が上昇した場合、利回りの計算式に当てはめて考えると、取得に必要な投資金額が増えることになるため、利回りは低下します。逆に債権の価格が下がれば投資金額が減ることになるため、利回りは上昇することになります。
このようにして国債の利回りは日々変化をしています。
それでは実際に10年国債利回りと【フラット35】の金利の動きに連動性があるのかを見てみましょう。
次の図表は、財務省が公表している「10年国債前月末の利回り」と、住宅金融支援機構が公表している【フラット35】の毎月の金利の推移を令和4年1月から令和5年12月までの期間でまとめたものです。
基準となる月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|
10年国債
単位:%
前月末の利回り | 0.089 | 0.177 | 0.191 | 0.218 | 0.220 | 0.246 | 0.242 | 0.185 | 0.235 | 0.277 | 0.253 | 0.276 |
---|
【フラット35】の各月の金利
単位:%
返済期間21年以上 | 1.30 | 1.35 | 1.43 | 1.44 | 1.48 | 1.49 | 1.51 | 1.53 | 1.52 | 1.48 | 1.54 | 1.65 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
返済期間20年以下 | 1.18 | 1.23 | 1.31 | 1.31 | 1.35 | 1.36 | 1.38 | 1.40 | 1.39 | 1.32 | 1.38 | 1.49 |
基準となる月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|
10年国債
単位:%
前月末の利回り | 0.454 | 0.511 | 0.524 | 0.389 | 0.403 | 0.448 | 0.426 | 0.605 | 0.657 | 0.774 | 0.952 | 0.691 |
---|
【フラット35】の各月の金利
単位:%
返済期間21年以上 | 1.68 | 1.88 | 1.96 | 1.76 | 1.83 | 1.76 | 1.73 | 1.72 | 1.80 | 1.88 | 1.96 | 1.91 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
返済期間20年以下 | 1.52 | 1.72 | 1.80 | 1.33 | 1.40 | 1.33 | 1.30 | 1.29 | 1.32 | 1.40 | 1.48 | 1.43 |
ご覧いただいたように10年国債利回りと【フラット35】の金利は、全く同じ動きをするわけではありませんが、両者の動きには連動性があることがわかります。
以上、【フラット35】の金利がどのようにして決められるのか、また10年国債の利回りと【フラット35】の金利の推移についてお伝えいたしました。住宅ローンの資金計画をお考えの皆様は、今後の住宅ローン金利を考える材料として、「長期金利」の動向にも注目をしてみてはいかがでしょうか。